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直接は音読療法とは関係ないが、パニック障害を持っている人が来られることが多く、その対処法についてお知らせすることが時々ある。基本的に「ペーパーバック法」を教えていた。
これはビニール袋や紙袋で口と鼻を覆い、過呼吸によって過酸素状態になった血中酸素濃度をさげて、発作をおさめるという方法だ。
実際に私もこの方法で、過呼吸におちいった人の対処に何度か成功したことがあるし、医学書や応急処置の情報が載っているサイトなどでもこの方法が紹介されていることがほとんどだ。
お医者さんが書いているサイトにもこの方法が紹介されている。
が、この方法が最善ではない、という情報をごく最近、得ることができた。
くわしくは元サイトを参照してほしいが、簡単にまとめると以下のようになる。
・過換気症候群の治療はとして効果がない事が多い。
・著明な低酸素や死亡の報告が続いている。
・器質的疾患で過換気になっている患者(例えば、肺水腫や代謝性アシドーシス)では、PCO2を増やし、PO2を下げる事が致命的になる可能性がある。
・呼吸困難に陥っている患者さんに対して、この方法は行いにくい。
・二酸化炭素そのものが患者の不安を助長する可能性がある。
実際の対処法としては、
・上部胸郭を圧迫し、十分に息を吐かせる事で肺の過膨張を減らすことができる。
・胸壁ではなく横隔膜をより使う呼吸をするように指示すると呼吸困難感は改善し、過換気による症状も消失する。
とくに後者は音読療法における「ボトムブレス」のことで、この方法はかなり効果をあげることがわかっているらしい。
やはりここでも音読療法は有効だということがわかった。
過呼吸のメカニズムは、不安や心配などが昂じてくることでしだいに呼吸が浅く速くなってきて、体内への酸素供給が過剰になってしまう。
血中の二酸化炭素分圧が極端に低下して痙攣を起こすようになる。
その痙攣でまわりの人もびっくりしてしまうわけだが、しかし痙攣自体が過剰に供給された酸素を消費する反応であって、しばらくすると痙攣は自然におさまってしまう。
つまり、ほうっておいても過呼吸の発作はおさまる、ということだ。
過呼吸におちいった人に出会っても、あわてずさわがず、声をかけ、できれば深い呼吸をさせ、また質問をしてしゃべらせるなどの息をゆっくり吐くための行動をうながすなどすればいい。
対処がうまくできなくても、発作はやがて自然におさまっていくことを知っていれば、こちらがパニックになる必要もない。
(オーガナイザー・水城ゆう)
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