2012年8月31日金曜日

音読ケアワークの実施 (介護老人福祉施設)



音読療法協会認定のボイスセラピスト1級を取得するとグループワークが出来ます。ボイスセラピスト仲間のまゆみさんは、1級取得後お住まいの区内にある介護老人福祉施設で音読ケア(音読療法)を始めました。月2回、デイケアサービスをご利用の方を対象に、こちらが施設訪問します。先週3回目の音読ケアに初めて参加させてもらいました。
ここでは約1時間、まゆみさんが考案された流れで呼吸法、音読エチュードを行います。今回は、参加者約15名(60代後半‐70代の方が中心)でした。車いすに乗った方も多いので座った状態でワークを行います。ボイスセラピスト講座内の実践は、身体が自由に動き、声や姿勢を変えたことで自分の身体の変化に比較的気付きやすい受講生同志で練習をしていたので、今回の音読ケアでは呼吸や音読による身体の変化を感じとってもらえるか、それ以前に呼吸や音読を行えるのかがわからない状況でした。ワーク中、途中で呼吸法や音読を止めてお休みされたり目を閉じてじっとされている方が多くいらっしゃいました。でもその参加者を観察していると何かのきっかけでワークに再び参加されたり、目をつぶった状態で周囲の声を聞いていらして、時々声を出したり微笑んでいる方もいました。周囲の声や手拍子音、輪唱の声、近寄ってくる人の気配に対して、動きは僅かですがはっきりと反応をされていたのが印象的でした。
ここで感じたのは、セラピストの私たちは、参加者がこちらが期待する反応をされなくても、その状態を「この方には音読療法の効果を感じてもらっていないのかも」と判断・評価するべきではないということでした。僅かな反応を見逃さずその反応をチャンスにして参加者に近づいていけばいいのではと思います。
音読療法を継続的に実施するということは、参加者の方にとっては心身ストレスケアを習慣に行え、ご自分の身体や気持ちに向き合える場となります。(そうであって欲しいという希望ですが)セラピストにとっては、継続的に参加される方の変化を観察できる、どんな流れがここではいいかの実施検証の経験が積める場になります。そして両者の繋がりが持てる貴重な場にもなります。まゆみさんは、ご自分でこの施設を開拓されボイスセラピストとして継続的な活動の場を作りました。実践の場を提供してくださったまゆみさんには感謝です。
※こちらの施設で実施に至った経緯にご興味がある方はこちらもご覧ください。

※写真:今月、鹿児島県で見た夕日(遠くに見える島は甑島)

銀座教室事務局オペレーター 菜穂子

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