2012年8月5日日曜日

組織の強さを感じるとき


昨日、現代朗読協会による朗読パフォーマンス公演「キッズ・イン・ザ・ダーク」が行われました。出演者の中にはボイスセラピスト取得者も多数います。
今回のテーマは「キッズ」。大人の中に眠る子供性を引きだし、共演者とお客さんと即興ピアノ演奏が、暗闇の中で絡んでいくところを楽しもう、公演中に予想外のことが起きてもそれを楽しもう、という現代朗読協会が大切にしているコンセプトのもと、稽古から本番まで進めてきました。
今回、朗読者24名、ピアノ演奏1名の25名による規模が大きい舞台になりました。お客さんは隣の人と距離が近いし出演者との距離も近い、出演者が自分に迫ってくるのでは?というドキドキ感があったのではないでしょうか。今まで見てきた朗読、予想していた朗読とは何かが違う、という不思議な感覚を持ち帰っていただけていたら嬉しいです。出演者の公演後打ち上げでは、本番で出来なかったことの反省会ではなく、意外なハプニングをネタにし、練習中見せなかった共演者同志の本性(これが子供性?)が本番で表出してきたことについて盛り上がりました。

現代朗読協会は、代表者1人が決めたやり方で進める、あるいは代表者が決めたルールに則って参加者がそれに従う、というものがありません。そもそもそういう概念が存在しません。
もちろん、1つの公演に向かって代表者(演出家)が作った台本に沿って進めていくものの、稽古を主体的に動かしていったのはその場にいる出演者でした。稽古に多く参加できる人、できない人、いろんな人が集まっている中、知っている人が知らない人に伝える、その人がまた別の人に伝える、という形で進めていきました。
出演者が25名もいる大舞台なのに、練習や制作準備等を、絶対的な1人のリーダーが存在せずとも出来てしまったことに、この組織の強さ、素晴らしさを改めて感じました。
ある組織の中で「自分がやりたいことをやる、できることをできる範囲でやる」ことを実現するのに必要なのは、自分のことと同じぐらい相手の気持ちを思いやり、相手が望むことをわかろうとする姿勢なのではないかと思います。さらにその姿勢を具体的に行動として起こすことではないかと。これができるのは、集団の一員として存在しながらも個人として自立している、柔らかくも強い人の集まりであるからこそだと思います。今回、私は出演側ではなく当日お手伝い側でしたが、出演間際の緊張や直前までの猛暑日稽古で疲れもピークに達しているであろう仲間達に公演直前まで多くのサポートをもらいました。
素晴らしい組織、仲間達に出会えたことが嬉しく、こういう嬉しさを感じることができる人間としてこの世に生を受けたことにも嬉しくなりました。(大げさですかね。でも今はそんな気持ちです。)

公演にお越しいただいた皆さま、どうもありがとうございました。
※写真 本番直前のリハ―サル風景。
(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)




0 件のコメント:

コメントを投稿