photo credit: Shirin Winiger via photopin cc
それが物理的なものであれ心理的なものであれ、ストレスがかかると人は自動的に対処反応をおこす。
交感神経を瞬時に昂進させ、非常事態に対処できる身体の状態を整えるのだ。
脈拍は速まり、血管は収縮して血圧は上昇し、呼吸は浅く速くなり、筋肉は収縮にそなえ、汗腺は閉じて体温も上昇する。
生物としての非常にすぐれた反応だが、人間は大脳皮質を発達させてしまったがゆえに、この反射反応についての問題を抱えることになった。
ストレスが心理的なものである場合、たとえばいやなことを思いだすとか、まだ起こってもいないことを想像するといったことでも、持続的になる。
ストレスが持続的であれば、交感神経の昂進も持続的になる。
運動対処がないにもかかわらず、身体は緊張し、消耗しつづける。
心身が消耗・疲労し、ときには調子をくずし、病気になることもある。
心理的なストレスはほとんどの場合、「反芻思考」という形でやってくる。
いやことを繰り返し思いだしたり、不安なことをかんがえつづけてしまうことを「反芻思考」という。
これを断ち切ることが、こころの病を予防するもっとも効果的な方法だ。
人が反芻思考におちいっているとき、どんな姿をしているだろうか。
だれでも想像がつくと思うが、目がうつろで呼吸が浅く、姿勢も弱々しく前かがみになっているだろう。
のびのびと反芻思考をしている人はいない。
自分が反芻思考におちいっているということに気づいたとき、さっと姿勢をのばし、呼吸を深くして反芻思考を断ち切り、「いまここ」の自分にもどってこれるといい。
しかし、反芻思考におちいっている人は、そのこと自体に気づきにくいものだ。
なので、ふだんから長時間おなじ姿勢をとらない、ときどき姿勢をのばして呼吸を深くする「癖」を身につけておくとよい(私もそうしている)。
姿勢をのばす、というのは、具体的に「骨盤を立てる」といいかえてもよい。
座っている場合なら、座骨が座面に直角にあたるように骨盤を立てる。
すると脊椎がのび、呼吸の上下動が確保できて深く呼吸できるようになる。
呼吸が深くゆっくりすることによって、交感神経の昂進はおさまり、逆に副交感神経がはたらきだす。
身体が活動から休息へ、消耗から回復の状態へと移っていく。
なにをしていても、ときどきさっと姿勢をのばす癖を身につける。
パソコンに向かっていても、本を読んでいても、食事していても、だれかと話をしていても、電車に揺られていても、ときどき反射的に骨盤を立て、脊椎をのばして、深い呼吸を確保してやる。
これだけのことで心身は回復し、こころの病を予防できる。
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