2012年12月23日日曜日

12月の2級ボイスセラピスト講座のお知らせ

声で癒し、癒される……自分の持つ「声」で人を安らわせることができたら、どんなにいいでしょう。そして、自分の「声」が自分をも落ち着かせ、癒してくれたら、どんなにいいでしょう!
声による療法の基礎を身につける「ボイスセラピスト2級」を受講、取得して、身近な人とのコミュニケーションに活用してみませんか。
お子さん、パートナー、親、友人、同僚などとのつながりを、柔らかく心地よいものにしたいと願う方に。

これまでにボイスセラピスト2級の資格を取得された35名以上の方が、すでにそれぞれ活躍されています。

◎日時 2012年12月23日(日)10:00〜17:00
◎受講費 33,000円(2級資格取得料含む)

◎内容
 ボイスセラピーの基礎知識
 声と身体とこころの基礎知識
 声と身体の関係、声とこころの関係の確認
 ボイスセラピーのさまざまな事例を用いたノウハウ学習
 ボイスセラピストに必要なコミュニケーション法
 参加者同士によるセラピー実践体験

◎こんな人におすすめです
 子どもなど家族に心身の不調を訴える人がいる
 落ちこんでいる友だちの気持ちを楽にしてあげたい
 ささいなことが気になって眠れない
 あがり性を克服したい
 ひと前に出るとうまく話せない
 声が通らない
 よく聞き返される
 家族や他人とのコミュニケーションでいらいらすることが多い
 ひと前で話すことが多い職業についている
 落ちついた話し方や態度を身につけたい

※お申し込みはこちら

【特別割引制度】

学生や主婦、その他現在収入が低かったりなかったりする方のための特別割引制度があります。
基本的に半額になりますので、遠慮なくご相談ください。ボイスセラピスト講座受講への必要性と現況についてのレポートを提出していただきます。
くわしくは音読療法協会までお問い合わせください。

2012年12月9日日曜日

ストレスがあるときに神経系で起こっていること

photo credit: Stephen Poff via photopin cc

人が受けるストレスには3種類ある。

 1. 物理的ストレス
 2. 心的ストレス
 3. 生理的ストレス

物理的ストレスは、たとえば車にぶつかりそうになった、階段から落ちそうになった、包丁で指を切ってしまった、といったアクシデントのことだ。
地震なども物理的ストレスといえる。
思わず身構えて、アクシデントに備えようとする。
そのとき、身体のなかでどんなことが起こっているだろうか。

頭でかんがえるより速く反応するのは、生命維持のための脳幹や運動機能をつかさどる小脳の部分で、とくに自律神経系の交感神経がパッと昂進する。
鼓動が速まり、血圧が上昇し、呼吸が浅くすばやくなり、筋肉が収縮し、体温も上昇する。
つまり、すばやく動いて反応し、アクシデントから身をまもろうという身体の反応が起こる。

その反応は、心的ストレスや生理的ストレスでもおなじように起こる。
心的ストレスというのは、だれかと喧嘩した、職場での人間関係がうまくいかない、地震のときの恐怖ばかり思いだして不安になる、家族を亡くした悲しみがいつまでも消えない、といった心理的なことが原因だ。
生理的ストレスは、風邪をひいた、寝不足だ、おしっこをがまんしている、お腹がへった、あるいは食べすぎた、身体が冷えた、といったことで起こる。
この両方とも、物理的ストレスと同様の反応が人の身体には起こる。

脳幹は物理的ストレスも心的ストレスも心理的ストレスも区別することなく、律儀に身体で対処できるように交感神経を昂進させようとする。
心的ストレスだと、鬱々として気持ちは落ちこんでなにもする気になれないのに、身体は活動的になる準備をしている、という状態になる。
生理的ストレスだと、疲れて早く休みたいのに、身体だけ妙に活発で興奮している、という状態になる。
いずれも困った状態である。

こういった状態から抜けだすには、適切に副交感神経を昂進させ、身体に休息・回復モードにはいってもらう必要がある。
そのための唯一の方法が呼吸法であり、音読療法ではさらにテキストを音読するという方法によってさらに呼吸法を補助していく。
簡単な方法なので「こんなので効果あるの?」と思われる方が多いようだが、呼吸法を丁寧にやってみればその効果は必ず実感できるはずだ。
(オーガナイザー・水城ゆう)

パニック障害における過呼吸・過換気症候の対処法、最新情報

photo credit: JustCallMe_♥Bethy♥_ via photopin cc

直接は音読療法とは関係ないが、パニック障害を持っている人が来られることが多く、その対処法についてお知らせすることが時々ある。基本的に「ペーパーバック法」を教えていた。
これはビニール袋や紙袋で口と鼻を覆い、過呼吸によって過酸素状態になった血中酸素濃度をさげて、発作をおさめるという方法だ。
実際に私もこの方法で、過呼吸におちいった人の対処に何度か成功したことがあるし、医学書や応急処置の情報が載っているサイトなどでもこの方法が紹介されていることがほとんどだ。
お医者さんが書いているサイトにもこの方法が紹介されている。
が、この方法が最善ではない、という情報をごく最近、得ることができた。

くわしくは元サイトを参照してほしいが、簡単にまとめると以下のようになる。

・過換気症候群の治療はとして効果がない事が多い。
・著明な低酸素や死亡の報告が続いている。
・器質的疾患で過換気になっている患者(例えば、肺水腫や代謝性アシドーシス)では、PCO2を増やし、PO2を下げる事が致命的になる可能性がある。
・呼吸困難に陥っている患者さんに対して、この方法は行いにくい。
・二酸化炭素そのものが患者の不安を助長する可能性がある。

実際の対処法としては、

・上部胸郭を圧迫し、十分に息を吐かせる事で肺の過膨張を減らすことができる。
・胸壁ではなく横隔膜をより使う呼吸をするように指示すると呼吸困難感は改善し、過換気による症状も消失する。

とくに後者は音読療法における「ボトムブレス」のことで、この方法はかなり効果をあげることがわかっているらしい。
やはりここでも音読療法は有効だということがわかった。

過呼吸のメカニズムは、不安や心配などが昂じてくることでしだいに呼吸が浅く速くなってきて、体内への酸素供給が過剰になってしまう。
血中の二酸化炭素分圧が極端に低下して痙攣を起こすようになる。
その痙攣でまわりの人もびっくりしてしまうわけだが、しかし痙攣自体が過剰に供給された酸素を消費する反応であって、しばらくすると痙攣は自然におさまってしまう。
つまり、ほうっておいても過呼吸の発作はおさまる、ということだ。
過呼吸におちいった人に出会っても、あわてずさわがず、声をかけ、できれば深い呼吸をさせ、また質問をしてしゃべらせるなどの息をゆっくり吐くための行動をうながすなどすればいい。
対処がうまくできなくても、発作はやがて自然におさまっていくことを知っていれば、こちらがパニックになる必要もない。
(オーガナイザー・水城ゆう)

続けるためのマイルール


何か1つのことを毎日続けることは難しいです。特に自分ひとりでできること、それをやらなくても誰にも迷惑をかけないこと、やってみても即効性がある効果を体感できないこと、の3つが揃うと特に難しいと思います。そして「続けよう」と決めたことがかえって自分を苦しめることもあります。それは、何かを続けようと自分自身に誓い、でもやってみたら続かず「自分はダメなんだ。また三日坊主だ。次もきっと・・」と自分を信じることができずに自信がなくなり自己否定の理由にもなる場合があるからです。でもできれば続けてやりたいと思うことは皆さんそれぞれお持ちだと思います。
たとえば、音読療法の肝になっている呼吸法・音読。私は、呼吸法と音読・口周りの筋肉を鍛える舌動かし運動を実践中です。今日は私が最近実践している、続けるためのマイルールをご紹介します。(あくまでも私に向く方法ですが)
まず最初に4つのことをします。
1.書くーその1(なぜやるのか)
なぜそれを続けたいのか、続けることや続けた先に得られることが自分の中のどんなニーズを満たしてくれるのか、を簡単に書いて頭の整理をします。
2.書くーその2(やりかた)
具体的なやり方、回数、やる場所、やる時間帯を箇条書きにします。最終的に身体で覚えて自然と実践できればいいですが、初めてやることやある程度順番通りに進めたほうがスムーズにできること・反復しやすいことがあるので書いておきます。そしてこの時、この紙を見やすい文字の大きさ、手に取りやすいサイズ、やる場所に置いておきます。以上の2つで大まかなことが決まります。そして次は、
3.毎日習慣的にしている動きとセットにする。
例えば呼吸法や音読を朝行おうと決めた場合、自分が毎朝習慣的に行っている動きとセットにします。私の場合は、呼吸法を朝起きてすぐにしようと決めました。毎朝、起きて寝室からリビングに移動しベランダで花の水やりをするのですが、水やり後にすぐ呼吸法ができるように呼吸法の方法を書いた紙を水やりで使うジョウロの隣に置いておきます。こうするとリビングに戻りジョウロを片づけるときに同時にこの紙が持てるので、紙を持ってすぐに呼吸法ができます。舌回し運動はパソコンが起動するまでの数分間、音読は、朝のメールチェックをした後、音読療法協会オーガナイザー水城さんの日めくり音読を開くようにしています。その時、前日分の日めくり音読を読む(毎朝日めくり音読がアップされるのは6時ですが、時々6時前に読むことがあるので前日分と決めています。そして口を動かして声も出してもっと読みたくなったところで読みたいテキストの音読をする。という流れです)そして、これも自分にとって欠かせないのですが、
4.続けられた後のご褒美を用意する。
1週間とか2週間とかある一定期間を決めて、そのうち何日できたら〇〇、と達成後の自分へのご褒美を用意しておきます。この時のご褒美は、身体的に心地がいいと感じるものにします。(例えば、普段は使わない個別売りの入浴剤で気に入ったものを見つけてお風呂に入る。好きな香りのハンドクリームを買う。いつも行く喫茶店で普段飲まない少し高めのコーヒーを飲んでみる)などです。そうすると、続けることで元々の自分のニーズを満たせるし、身体的な心地よさも得られるというダブルの喜びを得られます。こうして書いてみると、何かの目標達成ハウツー本のような内容ですし、これをすること自体が苦痛だ、そんなことを決めないと出来ないのかと思えるかもしれませんが、自分の意志・気合いに頼って続けられない体験を何度もしているので、今はこの方法に落ち着いています。意志だけでできない自分を認めてあげて、では次にどうすれば続けられるかと次の行動へ移れる気がします。なので、もし何かを続けられずに自信を失いつつある方がいらしたら、ご自分なりのマイルールを作るのも楽しいことだと思います。
※写真:ボイスセラピストによる音読ケアワークの様子(世田谷区内介護老人福祉施設)
(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年12月7日金曜日

ボイスセラピスト講座ネット無料説明会

このところ、だれでも気軽に自分自身や身近な人の心身ケアをおこなえる「音読療法」が注目されています。
音読療法には最新の精神医学のノウハウが盛りこまれているほか、ヨガや古武術、古典芸能などで用いられている伝統的な呼吸法や身体法も取りいれられています。
それらを独自に体系化し、独自のノウハウでだれもがとくに道具を使うことなく、いつでもどこでもおこなえる心身ケアの方法を身につけることができます。

音読療法協会では毎月、2級ボイスセラピスト講座を開催していますが、実際に受講される前にどのような内容なのか知りたいという要望にこたえ、無料のネット説明会を開催します。協会オーガナイザーの水城ゆうが音読療法と講座内容の概略をライブで説明するほか、みなさんからの質疑もお受けします。
気軽にご参加いただいた上で、どのようなことでも遠慮なくお尋ねください。

◎開催日時

 2012年12月7日(金)20:00〜
 2012年12月17日(月)20:00〜
 2012年12月21日(金)20:00〜

◎開催場所

 Google+のHangout機能を使ってオンラインビデオチャット方式でおこないます。
 参加希望の方は事前にお申し込みください。こちらからHangoutに招待します。

◎参加条件

 あらかじめGoogle+にアカウント登録をお願いします。
 アカウントが作成できたら「音読療法協会」をサークルに追加してください(検索で出てきます)。
 ビデオチャットですが、視聴のみの場合はカメラやマイクがなくても参加できます。
 質疑応答に参加する場合はコンピューターに接続するカメラとマイクをご用意ください。

 よくわからない方はまずお問い合わせください。
 どなたも無料で参加できますが、Hangout機能が同時に10人までしか参加できません。
 申し込み順に受付け、定員になり次第締め切らせていただきます。
 申し込み時に参加希望の日時をお知らせください。

◎申し込み

 音読療法協会「info@voicetherapy.org」までメールでお申し込みください。

2012年11月28日水曜日

オーディオブックリーダー養成講座


先日、オーディオブックリーダー養成講座を受講しました。(主催:アイ文庫)
オーディオブックとは「耳で聞く朗読」のことで、その朗読者を育てるための講座です。一日の集中講義で、オーディオブックの読みや収録についてのノウハウやトレーニング法を教えてもらいます。(講師:オーディオブック・ディレクターの水城ゆうさん)
今回、集中講座でどんなことをしたのかを簡単にご紹介します。
・オーディオブックリーダーとは何かについて
・オーディオブックが作品として認められるために必要な情報性と表現について
・オーディオブックになるまでの流れ
・参加者によるテキスト読み
→ここでは各自が読みたいテキストを読みました。
・テキスト読みについてのフィードバック
→水城さんが1人1人に合わせたアドバイスを行いました。私の場合は、全体的に平坦な読み方をして緩急がないこと、それをどう訓練すればいいのかを教えてもらいました。
・コアマッスルの鍛え方の紹介
→ここで扱ったのは、身体の姿勢をキープするために使われる筋肉の鍛え方です。この筋肉があると安定した姿勢で安定した声が出せます。紹介があったのは、ヨガのポーズ、すり足、片足上げの方法などです。受講者の皆さんと一緒に行いました。寒い日だったので身体が少しづつ温まってきて声を出したくなってきました。
・滑舌をよくするための方法の紹介
・全身のストレッチ方法の紹介
・録音体験
→実際にスタジオに入ってマイクを使用し自分の声を録音してみました。また同時に、編集ソフトを使って声の録り直しの方法も教えてもらいました。
・録音に対するフィードバック
→録音した声を聞きながら水城さんからアドバイスを受けました。私の場合は、マイクの前で無意識に力が入り緊張しているのが声に表れていること、助詞や次の文節を読むときに文末が伸びていることなどの指摘をいただきました。
・自分でオーディオブックをつくるための録音ソフトの紹介
→まったく未知の世界でしたが、紹介してもらったことで将来自分でもできるかもと具体的にイメージできました。
・自作オーディオブックの活用方法
→自分でオーディオブックを作った場合どのような形で外に発信できるのか、もし販売する場合におすすめのソフト(デジタル商品販売ソフト)の紹介
身体を動かし声も使って、また実際に録音をしたり録音ソフトの編集方法を教えてもらったりと1日で集中的にいろんなことを教えてもらいました。この講座を受けたことで、自分の朗読の仕方の癖やその癖をどうすればより改善できるのかということが具体的にわかりました。オーディオブックとして声を録音する以外にも、これから朗読活動をするうえでとても参考になる内容でした。
次回講座は、12月26日(水)です。
詳細はコチラをご覧ください。
写真:録音練習をしているところ
(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年11月24日土曜日

11月の2級ボイスセラピスト講座のお知らせ

声で癒し、癒される……自分の持つ「声」で人を安らわせることができたら、どんなにいいでしょう。そして、自分の「声」が自分をも落ち着かせ、癒してくれたら、どんなにいいでしょう!
声による療法の基礎を身につける「ボイスセラピスト2級」を受講、取得して、身近な人とのコミュニケーションに活用してみませんか。
お子さん、パートナー、親、友人、同僚などとのつながりを、柔らかく心地よいものにしたいと願う方に。

これまでにボイスセラピスト2級の資格を取得された30名以上の方が、すでにそれぞれ活躍されています。

◎日時 2012年11月24日(土)10:00〜17:00
◎受講費 33,000円(2級資格取得料含む)

◎内容
 ボイスセラピーの基礎知識
 声と身体とこころの基礎知識
 声と身体の関係、声とこころの関係の確認
 ボイスセラピーのさまざまな事例を用いたノウハウ学習
 ボイスセラピストに必要なコミュニケーション法
 参加者同士によるセラピー実践体験

◎こんな人におすすめです
 子どもなど家族に心身の不調を訴える人がいる
 落ちこんでいる友だちの気持ちを楽にしてあげたい
 ささいなことが気になって眠れない
 あがり性を克服したい
 ひと前に出るとうまく話せない
 声が通らない
 よく聞き返される
 家族や他人とのコミュニケーションでいらいらすることが多い
 ひと前で話すことが多い職業についている
 落ちついた話し方や態度を身につけたい

※お申し込みはこちら

【特別割引制度】

学生や主婦、その他現在収入が低かったりなかったりする方のための特別割引制度があります。
基本的に半額になりますので、遠慮なくご相談ください。ボイスセラピスト講座受講への必要性と現況についてのレポートを提出していただきます。
くわしくは音読療法協会までお問い合わせください。

2012年11月14日水曜日

共感的コミュニケーション講座(全4回)11/14〜


「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法」監修者・安納献さんによる共感的コミュニケーション講座を開催します。

アメリカでおこなわれているNVC(Nonviolent Communication)のリーダーシッププログラムに数年にわたって参加している献さんが、帰国したてのホットなハートで共感的コミュニケーションの方法をシェアしてくれます!

今年12月、来年5月にはアメリカからトレーナーを迎えてのワークショップも企画中。
家庭でも学校でも教えてくれなかった、教えられなかった「人生をより素晴らしくする方法」を学んでみませんか?
人生が変わります!
これからの人生はもとより、これまでの人生も慈しむことができるようになるでしょう……!

以下の日程で、世田谷区の現代朗読協会にて開催します。
ふるってご参加ください!

●2012年11月14日、21日、12月5日、12日(いずれも水曜)19〜21時
●一般:1回5000円・4回16000円
 リピーター(過去にKen's Potechi Cafe及びNVCワークショップ受講経験のある方):1回4000円
●お申込:現代朗読協会のオンラインフォームからどうぞ。備考欄に「Ken's Cafe ○日参加」と明記してください。

2012年11月11日日曜日

介護予防アーティスト養成講座のお知らせ

 音読療法協会も全面的にバックアップし、オーガナイザーの水城ゆうがメイン講師を務める講座のお知らせです。
初日は2012年11月11日(日)です。
その後の開催日程などの詳細はこちらのサイトをご覧ください。

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あなたの音楽の才能をシニアの健康のために活かしてみませんか?

音楽活動の経験のある方を対象として、その経験を活かして高齢者の介護予防のための活動を行なう「介護予防アーティスト」を養成・認定します。
「介護予防アーティスト」の活動は、おもに70歳以上の自立して生活している高齢者が、音楽・文学・演劇・舞踊などの芸術に触れながら、仲間とともに楽しく心豊かに過ごすことで、認知症を予防し介護が必要にならないよう手助けをすることです。
この一連の講座は「決められた方法を一定の手順でおこなうこと」を学ぶためのものではありません。アーティストのみずみずしい感性を生かしてそれぞれに柔軟な方法を身につけてもらうために、これまでにない斬新で充実した内容を用意しています。

講座初日時点で30歳未満の方は、無料です!
お気軽にご応募ください。
(運営協力費として、30歳以上で社会保険に加入していない方: 30,000円、社会保険に加入している方:50,000円)

参加資格:ピアノ・ギターなどの楽器を1種類以上演奏でき公演経験のある方。かつ、パソコン、スマートフォン(携帯不可)などを使用してメールでの連絡が可能な方。
※下記の4曲を、講座初日までに伴奏できるようにしてきてください。
【課題曲】1)津軽海峡冬景色2)矢切の渡し3)里の秋4)365歩のマーチ
受講申込み受付時に、楽譜をメールにてお送りします。

スタートアップ講座3回→実習5回→フォローアップ講座2回を受講後、継続して活動のバックアップをさせていただきます。

2012年11月7日水曜日

道具がいらない「呼吸遊び」


先月、山梨県甲州市勝沼で行われてた10キロレースに参加しました。タイムを気にしないでゆっくりのんびり走るレースでした。せっかくなので、普段走るときに何となく楽だと感じて行っていた呼吸をボイスセラピスト講座で学んだ呼吸法を応用して何パターンか実践してみることにしました。普段、走るスピードが速くなったり距離がのびると心拍数が上がります。この状態が続くと、身体が危険を察知して酸素を取り込もうとするのか、吸うことだけが活発になり胸のあたりだけを使う浅い呼吸になります。この呼吸を続けていると身体の中に酸素が入りすぎた状態になり、走り続けるのが苦しくなることがあります。
今回は、どうすれば走りながら楽に吐けるかに集中してみました。まずは「スッスッ、ハッハッ」という一定のリズムにして「スッスッ」で自然に吐いて「ハッハッ」で自然に吸いこんでみました。吸う、吐くのどちらも自然呼吸にした状態です。リズムをつけているので比較的楽に吐くことができますが、坂道になると吐くことより吸うことが優先され次第に苦しくなりました。次は「スッスッ」の2回で思いっきり吐き切り、「ハッハッ」で自然に吸いこんでみました。そうすると、吐き切ることに意識を向けているので、多少苦しくなっても苦しさに呼吸や身体を任せずに、吐き切るということに戻って呼吸や気持ちを落ち着けることができました。こうすることで、呼吸が一定になり、ゴール近くになっても身体が全体的に楽に感じました。
走るときの呼吸は人それぞれ違うので、この方法が一番いいという方法はないと思いますが、ここでお伝えしたいのは、日常の生活の中で(スポーツも含め)人それぞれの呼吸の仕方が習慣的な癖になっているので、いざというときにその呼吸法が身体や精神面をリラックスさせることから遠ざけていることがあるのではないかということです。なので、今自分はどんな呼吸をしているのかという自分の呼吸の癖に気付くことや、他にどんな呼吸の方法があるのか(力強く吸う吐く、自然に吸う吐く、長く、短く・・)を色々探っていくと、自分の身体の変化を発見することにも繋がり、道具不要で自分の身体だけでできる面白い「呼吸遊び」になるのではないかと思います。

写真:勝沼フルーツマラソンの様子。葡萄畑が広がる坂が多いコースでした。
(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年10月20日土曜日

スピーチ・ジャマ―


声に関する興味深い装置を見つけたのでご紹介です。
少し前のことになりますが、ユーモア溢れる研究に贈られるイグ・ノーベル賞に、6年連続で日本人が選ばれました。今回二人の若い研究者が開発したのは「スピーチ・ジャマ―」という装置。おしゃべりが過ぎる人の言葉をマイクで捉え、その音声をスピーカーから0.2秒遅らせてそのまま相手に投げ返すことでおしゃべりを邪魔する仕組みだそうです。脳は、自分の声を確認しながら発話の指示を出しているため、声が微妙に遅れて届くと混乱しうまく話せなるという現象を応用した発明品だそうです。もし日常で使うとしたら、おしゃべりがうるさく感じる人に冗談で使ってみるのでしょうか。現代朗読協会が行っている朗読エチュードの中に、自分と違うテンポでテキストを読んでいる人や別のテキストを読んでいる人の声を聞きながら自分も音読をするエチュードがあります。
この装置を使って、1人でエチュードをしたらどんなことが起こるのか一度試してみたくなりました。
もし自分の声が聞こえてきても思い通りに読めたら、またはその声を取り入れて朗読が面白く変化したら、その時はかなりマインドフルネス状態名のかなと思いました。

写真:「東京ガーデニングショー」(日比谷公園)の作品。寄せ植えが見事でした。

(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年10月15日月曜日

心身回復のための質のよい「深睡眠」

photo credit: Cross Duck via photopin cc

働いて疲れた身体や、ストレスを受けてダメージを受けたこころを回復するためには、睡眠の質を高めることが重要である。

睡眠はよく知られているように、約90分を1セットとして、レム睡眠とノンレム睡眠を交互にくりかえすパターンを持っている。
レム睡眠のときは眼球がよく動いて、夢を見ている。
ノンレム睡眠は眼球が動かず、脳も休んでいる。
ノンレム睡眠はその脳波パターンからさらに4つの段階に分けられていて、3番目、4番目の段階がもっとも睡眠が深い。
つまり、これが「深睡眠」である。

いかに質のよい「深睡眠」を得られるかが、睡眠の質を決めるといっていい。
深睡眠によって、ダメージを受けたこころも身体も回復していく。
逆にいえば、質のよい深睡眠を得られない場合、ダメージは回復しないまま翌日へと持ちこされていくことになる。


深睡眠は寝入りばなの最初の1セットがもっともよく現われ、2セットめ、3セットめと深睡眠が現われにくくなる。
睡眠時間の後ろのほうのノンレム睡眠は、1番目、2番目の眠りが浅いパターンが多く現れるようになる。
したがって、質のよい睡眠を得るには、いかにすばやくスムースに深い眠りにはいっていくことができるか、ということが重要である。

ここで音読療法における「ボトムブレス」が役に立つ。
ボトムブレスは自律神経の副交感神経を亢進させるので、心身を鎮静させて入眠しやすい状態にもっていくことができる。
日中の活動で興奮した交感神経をしずめ、落ち着いた心身の状態を作ることで、すっと深い睡眠にはいっていける。

音読療法のボトムブレスについては、こちらを参考にしてほしい。
(オーガナイザー・水城ゆう)

2012年10月14日日曜日

10月の2級ボイスセラピスト講座のお知らせ

声で癒し、癒される……自分の持つ「声」で人を安らわせることができたら、どんなにいいでしょう。そして、自分の「声」が自分をも落ち着かせ、癒してくれたら、どんなにいいでしょう!
声による療法の基礎を身につける「ボイスセラピスト2級」を受講、取得して、身近な人とのコミュニケーションに活用してみませんか。
お子さん、パートナー、親、友人、同僚などとのつながりを、柔らかく心地よいものにしたいと願う方に。

これまでにボイスセラピスト2級の資格を取得された30名以上の方が、すでにそれぞれ活躍されています。

◎日時 2012年10月14日(日)10:00〜17:00
◎受講費 33,000円(2級資格取得料含む)

◎内容
 ボイスセラピーの基礎知識
 声と身体とこころの基礎知識
 声と身体の関係、声とこころの関係の確認
 ボイスセラピーのさまざまな事例を用いたノウハウ学習
 ボイスセラピストに必要なコミュニケーション法
 参加者同士によるセラピー実践体験

◎こんな人におすすめです
 子どもなど家族に心身の不調を訴える人がいる
 落ちこんでいる友だちの気持ちを楽にしてあげたい
 ささいなことが気になって眠れない
 あがり性を克服したい
 ひと前に出るとうまく話せない
 声が通らない
 よく聞き返される
 家族や他人とのコミュニケーションでいらいらすることが多い
 ひと前で話すことが多い職業についている
 落ちついた話し方や態度を身につけたい

※お申し込みはこちら

【特別割引制度】

学生や主婦、その他現在収入が低かったりなかったりする方のための特別割引制度があります。
基本的に半額になりますので、遠慮なくご相談ください。ボイスセラピスト講座受講への必要性と現況についてのレポートを提出していただきます。
くわしくは音読療法協会までお問い合わせください。

2012年10月8日月曜日

ボイスセラピスト2級講座(10月1日コース)報告


本日、ボイスセラピスト2級講座を行いました。今までの銀座教室では、3日間(計6時間)に分けていましたが本日は1日取得講座のため、毎回行う復習や宿題発表の時間がない分、普段できないことが出来ました。特に呼吸法の後に行う音読エチュードの時間を多くとってもらい、身体を動かすエチュードを何パターンか行いました。今回も受講生として参加させてもらったので、本日行った音読エチュードの中から2つご紹介します。
目隠し朗読→目をつぶって参加者全員で1つのテキストを読みます。その時、人とぶつからないということをルールにしてみました。すると目を開けているより背後の気配を感じられ、また人の声も聞こえてきて、その人の声にも敏感になったのを感じます。このエチュードの前に、同じテキストを使って他のエチュードを行っていたので、目をつぶっても楽しくできました。
コンタクト朗読→2人でペアになり背中合わせになって同じテキストを読みます。この時、相手の背中の動きに合わせて自分も動いていきます。予測できない相手の動きや背中から伝わってくる体温を感じながら面白い動きが出来ました。
音読エチュードの後で、音読療法協会の組織運営の肝、ボイスセラピストの肝になっている共感的コミュニケーションについても触れました。毎回のレポートでこの部分の概要的なところをお伝えしているので今回は詳しく書きませんが、クライアントさんの話を聞くとき、「答えは相手の中にある。まず、今の自分の身体・五感から感じ取れる情報に気付いてもらうことが音読療法の一番の目的であり、そのために呼吸、音読エチュードを行う。気付いたもらうための流れを作ることがボイスセラピストの仕事である。アドバイス、判断をすることが仕事ではない。」ということが再認識できました。
私は何度もボイスセラピスト2級講座を受けていますが、老人ホームで音読ケアのお手伝いをさせてもらうようになって以降浮かんだ疑問を聞けたり、頭でわかったつもりでいたことが、実は自分の口から出てこないことに気付ける実践的な時間を持つことで、まだまだ自分のものになっていないと確認することができました。1度受けた方もぜひ再受講をおすすめします。(再受講料は不要です)
※写真:コンタクト朗読という音読エチュード風景。背中に体温を感じて気持ちがよかったです。
(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)




ボイスセラピスト2級講座のご案内(銀座教室)


6月に続き、9月、10月にボイスセラピスト2級講座を開講します。

声による療法の基礎を身につけて、身近な人とのコミュニケーションに活用してみませんか。お子さん、パートナー、親、友人、同僚とのつながりを柔らかく心地よいものにしたいと願う方に。(音読療法協会認定資格が取得できる講座です。)

◎開催日
9月金曜コース①……2012年9月7日、14日、21日
9月水曜コース………2012年9月12日、19日、26日
9月金曜コース②……2012年9月28日、10月5日、12日
(各コース、3日間計6時間で完結する講座です)
◎時間

昼の部 14:00~16:00/夜の部 18:45~20:45

※1日コース
10月8日(月・祝) 10:00~17:00(休憩1時間含む)

◎講師

音読療法協会認定音読療法士 及び 協会オーガナイザー水城ゆうが担当
◎受講費
38,000円(教材費、2級資格取得費含む)
◎取得資格
ボイスセラピスト2級(音読療法協会認定)
◎内容
・ボイスセラピーの基礎知識
・声と身体とこころの基礎知識
・声と身体の関係、声とこころの関係の確認
・ボイスセラピーのさまざまな事例を用いたノウハウ学習
・ボイスセラピストに必要なコミュニケーション法
・参加者同士によるセラピー実践体験

◎こんな人におすすめ◎
・子どもなど家族に心身の不調を訴える人がいる
・落ちこんでいる友だちの気持ちを楽にしてあげたい
・あがり性を克服したい
・ひと前に出るとうまく話せない、声が通らない、よく聞き返される
・ひと前で話すことが多い職業についている
・落ちついた話し方や態度を身につけたい
◎会場 銀座西欧ギャラリー(地図はこちら  
◎お申込みはこちら
◎お問い合わせはこちら 
◎主催 音読療法協会 http://voicetherapy.blogspot.jp/


(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年10月7日日曜日

御神輿担ぎ


まだ気温が高い日もありますが今年も夏が終りました。
夏の風物詩の1つとして代表的なものに夏祭りで見かける御神輿があります。
私は、毎年夏から秋にかけて都内のお祭りで御神輿を担いでいます。今年は5月から9月にかけて5回担ぎました。一般的にお祭りで御神輿を担ぐようになった由来は、神様の魂を神輿に乗せ街中をめぐりその偉大な力を振り撒き、また街を清めてもらうためと言われています。そして荒々しく神輿を担ぐことが庶民の憂さ晴らしの場になっていたと聞いたことがあります。今回は、なぜ私は御神輿を担ぎのが好きなのかについて文字にしてみました。
御神輿を担ぐとき、担ぐ人の性別、年齢、社会的地位は全く関係がありません。日常生活では「この人は普段どこで何をしている誰さんなのか。どんな人生を歩んできたのか。」というその人自身に関する情報を知りたくなることがありますが、この場ではそのような情報はどうでもよくなります。でも仲間といると安心感があります。それは、今日ここに集まってきた人が、御神輿を担ぎたい、楽しみたいから来たのだという自分が一番大切にしたい目的と同じであることがわかっているからです。普段、初対面の人に会ったときに自分と他人とが共有できる話題をさがすための会話が必要なく、自分と同じ目的であろう人が集まっていることから得られる安心感です。そして前の人と歩調を合わせながら一定のリズムで足を運び、「わっしょい!そいや!」など、周囲の声を聞きながらその声に合わせて自分がその場で出したい声を出していきます。肩にズシリと重くのしかかる担ぎ棒の重みを全身で感じ、腕や肩が棒に密着した感覚を感じ、汗が額からジワジワでてくる毛穴の変化を感じ、前後の人と密着してその人の体温や声の響き、汗で濡れたハンテンを自分の胸や背中を通して感じます。個としてその場にいながらも周囲の声、動き、音を自分の身体を通して感じながらそこに自分の声、動きを重ねていくような気持ち良さがあります。この時「ちょー気持ちいー」としか言いようがない状態になりますが、心ここにあらずの宙に浮いたようなハイテンションな状態ではなく、今起こっていることを強く感じています。この時、マインドフルネス(神輿を担いでいる今この瞬間に自分が感じていることに集中している状態)になっているのだと思います。また、ここに集まっている人の表情を見るのも好きです。御神輿を担いでいる人、応援している人のそれぞれがイキイキと幸せそうな表情をしています。自分自身が楽しいのはもちろん、今周囲で起こっている色んなことを感じて楽しみが広がっている表情のように見えます。このような色々なことを身体全身で感じることができるから、私は、御神輿担ぎが好きです。

※今年9月の牛嶋大祭(向島)風景

銀座教室事務局オペレーター 菜穂子


ボイスセラピスト1級講座第4期受講生募集

音読療法協会のボイスセラピスト2級を取得された方を対象に、ボイスセラピスト1級講座を開催します。今回が第4期となります。
毎月1回、計2日間の講座で1級資格を取得していただきます。

◎日時 前半・2012年10月7日(日)、後半11月4日(日)
    いずれも10:00〜17:00
◎受講費 66,000円(1級資格取得料含む)
◎認定方法 レポート提出と、実地試験および面接
 ※2級認定済みが条件です

ちなみに、2級と1級の違いは以下のとおりです。

・ボイスセラピスト2級
 お母さんやお父さんの基礎知識・高齢者の社会貢献活動に。
 教養、カルチャー感覚で取得できます。
 身近な人とのコミュニケーション法も学びます。

・ボイスセラピスト1級
 学校や施設、職場などのコミュニティでグループ指導できるスキル。
 初対面の相手とのコミュニケーション法も学びます。

※お申し込みはこちら

【特別割引制度】
学生や主婦、その他現在収入が低かったりなかったりする方のための特別割引制度があります。
基本的に半額になりますので、遠慮なくご相談ください。ボイスセラピスト講座受講への必要性と現況についてのレポートを提出していただきます。
くわしくは音読療法協会までお問い合わせください。


【お知らせ】
音読療法協会は、現代朗読協会がこれまで蓄積してきた膨大なデータと検証をもとに、音読療法マスターの育成をおこなうことを目的に設立されました。
すでに第一期生が全課程110時間を修了し、活動をはじめています。
第二期生は来年度募集予定です。興味・関心をお持ちの方はお問い合わせください。受講にはボイスセラピスト2級と1級の資格認定を受けている必要があります。

2012年10月3日水曜日

便秘解消のための音読療法

photo credit: Evil Erin via photopin cc
音読療法でおこなう呼吸法にはさまざまな効果が期待できるが、そのひとつに「便秘の解消」がある。

音読療法の「ボトムブレッシング」は副交感神経を昂進させる効果がある。
副交感神経が昂進すると、身体は休息・鎮静モードにはいる。
血圧と体温はさがり、血管は膨張し、呼吸は深くゆっくりになる。
と同時に消化器系は動きはじめる。

朝めざめて、まだ交感神経が充分に昂進していないうちに、しっかりとボトムブレッシングをおこなうと、消化器官のとくに末端がよく動いて、排出されやすくなる。
つまり便通がよくなる。

即座に効果が出る人もいれば、なかなか効果があらわれない人もいて、個人差があるのだが、毎日つづけることでかなりの効果が期待できる、という報告を多くいただいている。
便秘でなやんでいる人はしばらくためしてみることをおすすめする。
(オーガナイザー・水城ゆう)

2012年9月30日日曜日

音読療法の反応

音読療法(ボイスセラピー)が少しずつ、ほんとうに少しずつ人に知られるようになってきて、ボイスセラピーを受ける人もボイスセラピストになる人も少しずつ増えてきていることが、とてもうれしい。 ボイスセラピーは現在、老人ホームや地域の集まり、学校、東北の被災地、そして個人の家庭や友人関係、職場といったところでおこなわれている。 まただれでも気軽に参加できる「音読カフェ」も開催されていて、さまざまな声をいただいている。

今日はボイスセラピストが拾ってきた声のいくつかを紹介したい。

■40代女性
■仕事、家事、子育ての日々。自分自身のことを思う時間を持つことなんて考えてもみなかったけれど、 大切な時間だと気付いた。

■30代男性
■自分自身の精神状態がすこしヤバい方向にいきつつあると自覚していて、いろんな本を読んで勉強しているが、音読療法の理論はシンプルでわかりやすいと思う。

■老人ホームでの何回めかの音読ケアにて
■私(ボイスセラピスト)の近くに座っていた女性の方は、音読のとき、最初から最後まではっきりした声を出していたのですが、あとで「最初のころはみなさんから全然反応がなかったのよ」と聞いて本当にびっくりしました。

■老人ホームにて
■「青い山脈」を音読しているときに、女性の方が「歌いたい、歌いたい」とおっしゃっていたのですが、『参加したい!』という思いが感じられて嬉しかった(ボイスセラピスト)。

たくさんの声をいただいているので、機会を見つけてまた紹介したい。 ボイスセラピスト講座のほうも少しずつ人が集まるようになってきた。 10月8日の銀座教室での2級ボイスセラピスト講座も10月7日の1級ボイスセラピスト講座も、初めて参加する方も何人かいらしてにぎやかになりそうだ。

ところで、一度ボイスセラピスト講座を受講された方は、その後何度でも無償で再受講できることはあまり知られていない。 ボイスセラピストには知識と経験を継続的に深めていってほしいという協会のニーズがある。
(オーガナイザー・水城ゆう)

2012年9月27日木曜日

ボイスセラピスト2級講座9月コース(3日目)

昨日最終日終りました。今回も受講生として参加したので講座内容の報告と感想です。今回は今までの復習を中心に行いました。
1.課題発表
前回の課題で、この1週間で自分の中に起こった感情(気持ちが動いたこと)を観察し、それが何を大切にしているから(ニーズ)その感情になるのかを観察してくるというものがありました。そのことについて受講者の方に話をしてもらいました。ここでは、色々な感情に対してその中でどれが一番大きい感情かを絞ることはない、それぞれの感情に複数のニーズがあっていい、その中で今一番しっくりくるニーズを拾うということを教えてもらいました。
2.呼吸法の実践
セラピスト役とクライアント役になってペア練習を行いました。呼吸法4パターンの流れとそれぞれの効果について簡単にクライアント役に説明をしました。
3.音読エチュード
3つのエチュードを行いました。エチュー内容は、同時読み→1行リレー(句点ではなくテキストの改行に合わせて次の人にダトンタッチする)→連想読み(1人が音読をしている間、聞いている人は食べ物に例えると何かを連想しながら聞く)です。この最後の連想エチュードは、音読している人の音読が上手か下手か、滑舌が良いか悪いかという判断をしないでただただ食べ物を想像するところが面白かったです。
4.共感的コミュニケーションのペア練習
先週同様、最近起こったこと(気持ちが動いたこと)についてクライアント役が話をし、セラピスト役がクライアント役から出てきた言葉から感情を確認し、その感情の元になっているニーズをクライアント役に確認をしました。今回は私がクライアント役になりセラピスト役の方に感情とニーズに注目してもらいました。昨日自分の中に起こった感情について話をしたのですが、セラピスト役の受講者に言葉にして確認してもらうことで明確になった部分がありました。
5.ボイスセラピストの活動紹介
ボイスセラピストの活動先として、老人ホーム・小学校・被災地(仮設住宅にお住いの方)で現在行っている音読ケアの紹介がありました。そし今後力を入れていく新しい分野(介護予防アーティスト)の紹介もありました。
以上が本日の報告です。
3日間の講座の中で、共感的コミュニケーションという言葉が何度か出てきたかと思います。この部分は、考え方の理念や具体的な方法については実践を重ねないと習得できないコミュニケーション手段であり、現時点で私も学んでいる最中でもあるため、具体的な例文などを書きませんでした。今後、ボイスセラピスト資格取得者が集まって、共感的コミュニケーションの練習の場や音読エチュードのバリエーションを増やすような練習の場を作っていき、より良い形で音読療法を世に広めていけたらいいなと感じました。

◎次回のボイスセラピスト2級講座のご案内◎
・3日間コース(金曜日)・・10月5日、12日、19日
 (昼の部14:00ー16:00、夜の部18:45-20:45)
・1日コース(祝日)・・・10月8日(月・祝) 10:00‐17:00(休憩1時間含む)
 です。ご興味がある方はぜひご受講してみてください。

※写真:ボイスセラピスト講座の後に行った「ボイスセラピスト講座説明会」の様子です。10名が集まり、講座の目的や講座取得後の活動についての説明会を開催しました。
(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年9月23日日曜日

9月の2級ボイスセラピスト講座のお知らせ

声で癒し、癒される……自分の持つ「声」で人を安らわせることができたら、どんなにいいでしょう。そして、自分の「声」が自分をも落ち着かせ、癒してくれたら、どんなにいいでしょう!
声による療法の基礎を身につける「ボイスセラピスト2級」を受講、取得して、身近な人とのコミュニケーションに活用してみませんか。
お子さん、パートナー、親、友人、同僚などとのつながりを、柔らかく心地よいものにしたいと願う方に。

これまでにボイスセラピスト2級の資格を取得された方は28名いて、それぞれ活躍されています。

◎日時 2012年9月23日(日)10:00〜17:00
◎受講費 33,000円(2級資格取得料含む)

◎内容
 ボイスセラピーの基礎知識
 声と身体とこころの基礎知識
 声と身体の関係、声とこころの関係の確認
 ボイスセラピーのさまざまな事例を用いたノウハウ学習
 ボイスセラピストに必要なコミュニケーション法
 参加者同士によるセラピー実践体験

◎こんな人におすすめです
 子どもなど家族に心身の不調を訴える人がいる
 落ちこんでいる友だちの気持ちを楽にしてあげたい
 ささいなことが気になって眠れない
 あがり性を克服したい
 ひと前に出るとうまく話せない
 声が通らない
 よく聞き返される
 家族や他人とのコミュニケーションでいらいらすることが多い
 ひと前で話すことが多い職業についている
 落ちついた話し方や態度を身につけたい

※お申し込みはこちら
⇒ http://www.roudoku.org/form/ws_application.html

【特別割引制度】

学生や主婦、その他現在収入が低かったりなかったりする方のための特別割引制度があります。
基本的に半額になりますので、遠慮なくご相談ください。ボイスセラピスト講座受講への必要性と現況についてのレポートを提出していただきます。
くわしくは音読療法協会までお問い合わせください。

2012年9月22日土曜日

ボイスセラピスト講座説明会の開催 (9月26日)


ボイスセラピスト講座説明会のお知らせです。
ここ最近、音読療法にたいする関心が高まってきています。
2011年の震災直後からスタートした音読療法協会の活動もしだいに充実し、ボイスセラピストの養成講座も継続的に開催されています。
すでに30名以上のボイスセラピストが誕生し、各方面で活動をはじめています。
しかし、まだまだ音読療法の内容については知られておらず、どういうことをするのか、資格を取得するとどんな活動ができるのか、問い合わせがたえません。
そこで音読療法協会では音読療法やボイスセラピスト資格に関心のある方のために、無料説明会を開催することになりました。
以下、詳細です。

◎ボイスセラピスト講座説明会

◎日時
 9月26日(水) 
 ・午前の部 11:00‐12:00
 ・午後の部 19:00‐20:00

◎料金 無料
◎場所 銀座西欧ギャラリー
 (東京メトロ銀座一丁目駅すぐ/JR有楽町駅徒歩5分)
◎住所 中央区銀座2-2-18 西欧ビル7F
◎地図 http://ginzaseiogallery.jimdo.com/地図-アクセス/
◎申込み: http://www.voicetherapy.org/contact.html

※参加ご希望の方は、「お問い合わせ内容欄」に『ボイスセラピスト説明会参加・ご希望の時間帯(午前、午後のどちらか」をご記入ください。

※音読療法にご興味がある方はこちらもご覧ください。
「音読療法のコンセプトについて」 http://www.voicetherapy.org/voicetherapy.html

写真:ボイスセラピスト講座風景

(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

ボイスセラピスト2級講座9月コース(2日目)



9月18日、ボイスセラピスト講座2日目を行いました。
今回も受講生として参加させてもらったので講座の流れと気付いたことのご報告です。
1.宿題実施後の報告
前回出た宿題はこちらです。この2つについての報告を行いました。
・呼吸法を行い、その際、どんなことを感じるか(身体、精神)に目を向けてみる。
・吐くのにどのぐらい時間がかかるかをはかる。
2.自分の呼吸を測る
吐く、吸う、吐くをセットにして時間を測りました。吐く、吸うのセットで60秒というのが心身ともによい状態を作る呼吸のようです。呼吸をしているとき、カウント数の声が聞こえてくるので、苦しくなってもあと○秒がんばろうとしたことで、自分1人で行うときより長い時間呼吸が出来ました。時々こういう体育会系な方法で呼吸を行うことで呼吸筋が更に鍛えられるのではないかと思います。
3.復習
・3つの呼吸法(ホールブレッシング、ストレッチ呼吸、ボトムズレス)のやり方とそれぞれの目的についての確認を行いました。
4.ハミング呼吸の実施
ハミングをしながら身体を触ります。ハミングによる声の響きを利用して身体の振動を感じ、声を出すことによって身体がどうなっているのかをわかりやすくするための呼吸法です。
この呼吸をすると心地よく感じます。身体が震える部分を意識的に感じたり他の身体の部分の震えを探すのも心地がいいのですが、普段触ることが少ない身体を触ることで自分自身に愛着がわくような気がします。普段は自分が肉体として存在しているという感覚を持つ機会が少ないので、自分が今ここにいるということが具体的に感じることができ安心するのかもしれません。
4.音読エチュード
漢詩を使って、全員一緒に合わせ読みをしました。読み方は、普段のスピードで2回→低音読み→スピード変化読み(だんだん速く読む)です。
参加者の方からの感想で、最初は自分のお腹が震えているのを感じてその震えに意識を向けたが徐々に周囲の声が聞こえるようになった、周囲の声が聞こえてくることでより大きい声が出た、1人1人の声が聞こえながらも全体としてのまとまりの声も聞こえてきた、という感想をいただきました。ここでは、自分の声が良い悪い、音読が上手い下手という判断が入らず、今起こっていることを感じる時間が持てたようです。
5.共感的コミュニケーション
・共感的コミュニケーションとは何か
・日常行っているコミュニケーションのパターンとは何か
・共感とは具体的に何をすることか
・共感的コミュニケーションのプロセスの説明
・ペアワークで練習&発表
・音読療法と共感的コミュニケーションの関係性について
ひと通り共感的コミュニケーションの説明を受けた後、ペアワークではお互いに最近起こった嬉しかったことや悲しかったことなどを相手に伝え、その事実に対してどんな気持ちになったのか、その気持ちは相手が何を大切にしているから起こるのかについて相手に質問をしていきます。ここでは、最後まで自分の話を聞いてもらえる、興味を持ってもらえることで安心感や信頼感も生まれ短い時間のワークでしたが貴重な時間を過ごしました。
来週は最終講義です。今までの復習と共感的コミュニケーションの練習を行います。

写真:ハミング呼吸実施中。講師は野々宮卯妙さん(音読療法士)

(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年9月13日木曜日

ボイスセラピスト2級講座9月コース(1日目)



昨日、9月水曜日昼コース(計3日間)がスタートしました。
今回は音読療法士、ボイスセラピストもサポートに入り、わたしも受講生として参加させてもらい和やかな雰囲気でスタートしました。今回の流れと感じたことを簡単にご紹介します。

1.自己紹介タイム
受講生の中に、ゴスペルをして声を出すことが気持ちがいいと感じた経験がある方がいらっしゃいました。道具不要のストレスマネジメントになるボイスセラピスト講座に興味を持たれたそうです。

2.ボイスセラピ―とは何か
音読療法の柱になるマインドフルネス(気付き)とは何か、マインドフルネス状態を作るための2つ方法となる呼吸法・発声、音読についての説明、音読療法協会で大切にしている自分や人との関わり方(共感的コミュニケーション)についてを説明してもらいました。

3.呼吸発声に関係する身体の仕組みについて(呼吸筋群、呼吸器系)
オーガナイザー水城さんが書いたスケッチ画を使いながら呼吸筋群の説明を受けました。

4.呼吸法
3パターンの呼吸法の実施。交感神経が優位になる呼吸法(ホールブレッシング、ストレッチ呼吸)、副交感神経が優位になる呼吸法(ボトムブレス)を行いました。
呼吸法の後、今どんなことを感じたかを話していきました。参加者全員がそれぞれに違った角度で(下半身やお腹の部分に温かみを感じた、身体の中で伸びたと感じたところがあった、息を吸って身体が膨らむときどんなイメージをしていたか、呼吸に伴って身体が固まったり苦しくなる部分はどこか、楽に気持ちがよく呼吸をするには次はどうすればいいと感じたか)感じたことを話したのですが、私にとってこの時間が大切な気付きの時間になりました。家で1人で呼吸法をしていると、自分が感じやすい部分や気持ちよくなりたい部分を意識して呼吸をすることがありますが、その状態だと自分が意識したいこと以外を感じないようにしていたようです。そう感じるのは、同じ呼吸をしているのに自分と全く違うことを感じ取っている方の話が聞けたからです。
今回の報告タイムは、これからもっと真っ白な状態で呼吸を行えば今まで感じられなかった身体変化を感じることができるかもしれないということを気づかせてもらいました。ここを意識しようと思うこと自体取っ払ったら、もっと身体変化について感じられることが増えるかもしれません。
呼吸法はやればやるほど自分の身体の反応に敏感になっていきます。敏感になるということは、マインドフルネス(今この瞬間の自分の状態に集中している。他に考え事をしていない状態)になっているということです。今回の受講生の方にとって、講座内で行う呼吸や音読、参加者同志のコミュニケーションの時間を通して、様々な気づきの時間になっていただけると嬉しいです。

2012年9月10日月曜日

音読療法で大切にしていること

photo credit: jasewiththeface via photo pin cc

「ボイスセラピストに大切にしてもらっていること」で、音読療法ではセラピスト個人の臨機応変な即興性を大事にしていることを伝えたが、もうすこし補足しておきたい。

音読療法の技術と知識を身につけてもらったら、セラピストそれぞれの裁量にしたがって臨機応変にプログラムを組み、またそれぞれの個性や特技を生かしてクライアントのお役に立ってほしいというニーズが音読療法協会にはある。
基本的なニーズだが、それはあくまで「音読療法の中核理念をしっかり守った上で」という但し書きがつく。

音読療法の中核理念をここで列挙はしないが、いずれも次のような基本的な姿勢に支えられている。

・実証/検証可能で具体的な方法を用いる。
・すでに実証/検証されている客観的な所見にもとづいた方法を用いる。
・論理性と客観性を重視する。

このような理念のもと、たとえばいわゆるスピリチュアル系の考えや手法は音読療法には取りいれない。
前世、血液型、占い、霊気、予知といったものは、音読療法には用いない。

といって、これらの活動を否定するものではない。
あくまで「音読療法の中核理念では」用いない、ということだ。

したがって、たとえば音読療法士の資格を取得した人が、自分のセッションの個性として占いと組み合わせたりすることまでは否定しない。
ただし、その場合、占いと音読療法の理念とははっきりと区別してクライアントに伝えてほしい、というのが音読療法協会からのリクエストである。
音読療法の中核理念の論理性と客観性が保証されるかぎりにおいて、セラピストが自分の個性やオリジナリティや信じるところを利用する分には、それを容認するというのが、音読療法協会の基本的姿勢である。

以上、多少わかりにくい面があるかもしれないので、不明を感じた場合は、オーガナイザーや音読療法マスターに直接問い合わせてほしい。
(オーガナイザー・水城ゆう)

新型うつとか不定形うつとか

photo credit: anyone's ghost via photo pin cc

最近「新型うつ病」という言葉を聞くことが多いのではないだろうか。
テレビや新聞などマスコミでもいろいろと取りあげられ、とくに新入社員や学生など若い人の病気として社会問題化しているが、その症状や治療法についてはあいまいな情報しかない。
精神科医の知見や対処法もまちまちで、混乱しているといっていい。
なかには「気分うつ」とレッテル張りをして、ろくに対処しようとしない職場があったりして、その犠牲になって仕事をするやめざるをえない者が増えている。

新型うつ病についての専門家の所見として、比較的まともに思える記事がダイヤモンド・オンラインに出ていた。
「若手社員の「新型うつ」は単なるうつ病ではない! パニック障害の権威が職場の偏見と治療の誤解に警鐘――貝谷久宣・医療法人和楽会理事長に聞く」がそれだ。

このなかで「自分のプライドを傷つけられる」ことによるPTSDに似た症状が起こることが述べられているが、音読療法ではこの「自分のプライド」の部分を「自分が大切にしていること=ニーズ」と読みかえることができる。
プライドというとイメージが限定的になるが、自分がなにを大切にしていて、その価値観を損なわれたり満たされたりした結果、さまざまな感情が生まれる、という考え方をする。
そこで、自分のなかに起こってくるさまざまな感情を丁寧に扱い、その感情が指し示す「自分が大切にしていること=ニーズ」の面倒をしっかりと見ることで、抑うつ状態に陥らないようにし、さらには実際の行動に踏み出しやすくする。
これを「共感的コミュニケーション」という手法でおこなう。

共感的コミュニケーションは「認知行動療法」そのものといっていいプロセスで、なにより自分ひとりでもやれるし、だれかの手助けがあればさらに効果的だ。
音読療法でこの方法を身につけた人は、うつ病におちいりにくくなるだろうし、「うつっぽい」感じることがある人には、その気分からの改善や脱却を期待できる。

自分がなんとなく「うつうつとして気がのらない」と感じるような人の音読療法を受けてみてほしいのだが、ボイスセラピストとしてその方法を自分で身につけることで、自身のうつ対策にもなれば、だれかを手助けすることにも役立てられるはずだ。
音読療法協会では随時ボイスセラピスト講座を開催しているので、まずは気軽に問い合わせてみてほしい。
次のボイスセラピスト講座は銀座教室であさって9月12日から開催される。
(オーガナイザー・水城ゆう)

2012年9月7日金曜日

第1回音読カフェの報告


9月4日、5日の2日間「音読カフェ」を実施しました。
「音読カフェ」は音読療法を気軽に体験できる体験ワークです。今回初めての開催となりましたが、2日間で29名(サポート役含め)の方にご参加いただきました。
体験ワークでは、呼吸法+音読遊びを行いました。最初に行った呼吸法では何パターンかの方法で息を長く細く吐く、吸うに意識を向け、呼吸によって自分の身体が何を感じるかを確認しました。次に行った音読遊びでは、1つのテキストを取り上げて、参加者と声を合わせながら声のボリュームやスピード、高低を変えたり、身体でリズムを取りながら声を出したり、いろんな音読遊びをしました。最後はお茶タイム。お互いに自己紹介をしてから、どんなきっかけで音読カフェに参加したのか、今どんなことを感じているのかなどを皆さんと話しました。

参加された方から「数年前に病気になり、身体にいいと言われることを色々試してみたが行きつくところは‘‘今自分がここにいる’’という意識を持つことなのではないかと思った。そういう意味で意識的に呼吸をすることは‘‘ここに今存在している自分’’を意識できるいい方法なのかもしれないと思った。」というご感想をいただきました。
なぜ、音読カフェで呼吸法と音読を行うのかというと、これらのワークを通して「マインドフルネス」(今ここにいる自分に集中している状態)になるためです。1時間の音読カフェの中でお伝え出来ることは限られていましたが、時間を取ってゆっくり呼吸をしたり音読遊びをすることで音読療法の中で大切にしている「マインドフルネス」を感じていただけたことはとても嬉しいです。

音読カフェは、進め方にマニュアルがありません。進行役(音読療法士、ボイスセラピスト)が、当日の参加者の性別、年齢、身体状態、雰囲気などを見て最終的に流れを決めていきます。なので何度参加してもそれぞれに違ったことを発見していただけるのではないかと思います。また気軽に体験できる機会を作っていきたいと思います。今回参加された皆さま、どうもありがとうございました。そして進行役として当日まで準備、練習を進めてきたぴりかさん、彩子さん、日榮さん、どうもありがとう。そして、当日サポートしてくれたボイスセラピストの仲間たち、どうもありがとう。
※写真:両隣の人と手を合わせながら音読遊びをしています。これは盛り上がりました。
(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年9月4日火曜日

音読カフェ@銀座、9月4・5日に開催

ボイスセラピスト2級講座を開催した銀座2丁目外堀通り沿いの西欧ギャラリーで、
「音読カフェ」
を開催します。

「音読療法ってどんなもの?」

「音読療法を試してみたい」
という方から、
「音読療法で元気になりたい」
「音読療法を毎日の生活に取り入れてみたい」
「介護予防に音読療法を取り入れたい」
「プチ鬱気分をなんとかしたい」
という具体的な目的をもった方まで、
気軽に参加していただけるカフェタイム風の会です。

飲物とお菓子をつまみながら、音読療法ワークをご一緒にやってみませんか♪

学び直したいボイスセラピストのみなさんは、お手伝いがてら遊びにいらしてくださいね。

開催日:(1)9月4日15〜16時/(2)19〜20時
    (3)9月5日15〜16時
参加費:1000円(お茶・お菓子付き)
お申込:協会お問い合わせフォームで「お問い合わせ内容」に「音読カフェ参加希望」および(1)〜(3)のうち希望日を記載して送信してください。

今のところ単発開催ですが、定期開催できるよう調整中です。
また、今回の会場は銀座ですが、世田谷区羽根木(下北沢近く)でも検討中です。
今後については協会までお問い合わせ下さい。

ご参加、お待ちしています!

2012年8月31日金曜日

音読ケアワークの実施 (介護老人福祉施設)



音読療法協会認定のボイスセラピスト1級を取得するとグループワークが出来ます。ボイスセラピスト仲間のまゆみさんは、1級取得後お住まいの区内にある介護老人福祉施設で音読ケア(音読療法)を始めました。月2回、デイケアサービスをご利用の方を対象に、こちらが施設訪問します。先週3回目の音読ケアに初めて参加させてもらいました。
ここでは約1時間、まゆみさんが考案された流れで呼吸法、音読エチュードを行います。今回は、参加者約15名(60代後半‐70代の方が中心)でした。車いすに乗った方も多いので座った状態でワークを行います。ボイスセラピスト講座内の実践は、身体が自由に動き、声や姿勢を変えたことで自分の身体の変化に比較的気付きやすい受講生同志で練習をしていたので、今回の音読ケアでは呼吸や音読による身体の変化を感じとってもらえるか、それ以前に呼吸や音読を行えるのかがわからない状況でした。ワーク中、途中で呼吸法や音読を止めてお休みされたり目を閉じてじっとされている方が多くいらっしゃいました。でもその参加者を観察していると何かのきっかけでワークに再び参加されたり、目をつぶった状態で周囲の声を聞いていらして、時々声を出したり微笑んでいる方もいました。周囲の声や手拍子音、輪唱の声、近寄ってくる人の気配に対して、動きは僅かですがはっきりと反応をされていたのが印象的でした。
ここで感じたのは、セラピストの私たちは、参加者がこちらが期待する反応をされなくても、その状態を「この方には音読療法の効果を感じてもらっていないのかも」と判断・評価するべきではないということでした。僅かな反応を見逃さずその反応をチャンスにして参加者に近づいていけばいいのではと思います。
音読療法を継続的に実施するということは、参加者の方にとっては心身ストレスケアを習慣に行え、ご自分の身体や気持ちに向き合える場となります。(そうであって欲しいという希望ですが)セラピストにとっては、継続的に参加される方の変化を観察できる、どんな流れがここではいいかの実施検証の経験が積める場になります。そして両者の繋がりが持てる貴重な場にもなります。まゆみさんは、ご自分でこの施設を開拓されボイスセラピストとして継続的な活動の場を作りました。実践の場を提供してくださったまゆみさんには感謝です。
※こちらの施設で実施に至った経緯にご興味がある方はこちらもご覧ください。

※写真:今月、鹿児島県で見た夕日(遠くに見える島は甑島)

銀座教室事務局オペレーター 菜穂子

2012年8月26日日曜日

円になって座る


音読療法協会、現代朗読協会の講座では、講師と参加者の皆さんが1つの円になって座ることが多いです。多いというか、それが座り方として定着しています。集まった人が座布団を円形に置いて各自が好きな場所に好きな姿勢で座ります。この円になって座ることがとても心地がよいと感じます。
子供の時は、お遊戯の時間や音楽の時間、林間学校のキャンプファイヤーなど、何かワクワクすることを行う時に限定されて円になって座っていましたが、日常で円になって座った記憶があまりありません。学校では学生が並列になり先生と向き合う対面スタイル、家では四角いテーブルに家族5人で座り(父がいれば父がお誕生日席)平日父が不在の時は、2対2で座って相手の顔を正面からみる対面スタイルでした。社会人になってからも、ほとんどが対面スタイル、たまにコの字スタイルの会議がありました。対面スタイルは、確かに相手の顔が見れますが相手の存在が自分の正面すぎるからか、自分のすべてを見られているのではという恐怖感からか不必要な緊張を感じることがありました。相手に意識がいくよりは見られている自分に意識がいき、どんどん萎縮していく感覚でした。でも、丸く座ってみると、自分以外に意識が向きます。その場にいる人の様々な情報が入ってきます。近くにいる人の表情、喋るとき笑うときの身体の動き、深い呼吸なのか浅い呼吸なのか、今はこの人はどんな気持ちや状態なのかを感じることに意識が向きます。
この時、自分はかなりマインドフル(今この瞬間にこの場にいて、今起こっていることだけを感じている状態)になっているのではないかと思います。今日やるべきことや思い悩んでいることが、頭をよぎる思考がなくなります。そんな自分自身のことより目の前に人の状態を知りたいと素直に思える座り方です。
これからは、家で人を呼んで食事をするときは円形になってみたり、外食の時はちゃぶ台があるようなお店を見つけてみるのも面白いかもしれないと思います。
できれば、イスではなく床に座ってみてゆっくり息を吐くそんな時間を持ちたいです。
※写真:先日行われた現代朗読協会公演「キッズ・イン・ザ・ダーク」打合せ風景。

(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)


8月の2級ボイスセラピスト講座のお知らせ

声で癒し、癒される……自分の持つ「声」で人を安らわせることができたら、どんなにいいでしょう。そして、自分の「声」が自分をも落ち着かせ、癒してくれたら、どんなにいいでしょう!
声による療法の基礎を身につける「ボイスセラピスト2級」を受講、取得して、身近な人とのコミュニケーションに活用してみませんか。
お子さん、パートナー、親、友人、同僚などとのつながりを、柔らかく心地よいものにしたいと願う方に。

これまでにボイスセラピスト2級の資格を取得された方は26名いて、それぞれ活躍されています。

◎日時 2012年8月26日(日)10:00〜17:00
◎受講費 33,000円(2級資格取得料含む)

◎内容
ボイスセラピーの基礎知識
声と身体とこころの基礎知識
声と身体の関係、声とこころの関係の確認
ボイスセラピーのさまざまな事例を用いたノウハウ学習
ボイスセラピストに必要なコミュニケーション法
参加者同士によるセラピー実践体験

◎こんな人におすすめです
子どもなど家族に心身の不調を訴える人がいる
落ちこんでいる友だちの気持ちを楽にしてあげたい
ささいなことが気になって眠れない
あがり性を克服したい
ひと前に出るとうまく話せない
声が通らない
よく聞き返される
家族や他人とのコミュニケーションでいらいらすることが多い
ひと前で話すことが多い職業についている
落ちついた話し方や態度を身につけたい

※お申し込みはこちら

【特別割引制度】学生や主婦、その他現在収入が低かったりなかったりする方のための特別割引制度があります。
基本的に半額になりますので、遠慮なくご相談ください。ボイスセラピスト講座受講への必要性と現況についてのレポートを提出していただきます。
くわしくは音読療法協会までお問い合わせください。

2012年8月19日日曜日

ボイスセラピストに求められること


先週、祖母の初盆法事のために父の実家(九州)へ行きました。そこで、母と伯母にストレッチと呼吸法を行いました。(ボイスセラピスト2級取得者は、自分自身、家族やパートナーなど身近な人に施術することができます)数日間、母や伯母と共同生活をしたのですが、趣味や関心事の話になりました。叔母の趣味はコーラスです。今年末、佐渡裕さんが指揮をされる「1万人の第九コンサート」に出演するそうです。そこで呼吸や声の話題になりました。伯母は声を出す時、自分の声が遠くに届いていない気がする、そして肩や首回りに力が入っていると指導者から指摘され、もっと身体を楽にして声を出したいけどその方法がわからない、と話してくれました。そこで、ストレッチ(肩、首、腕中心)、立ち姿勢の確認、呼吸法(3パターン)、ハミング呼吸(呼吸をしながら身体の各部分を意識してハミング)を行うことを提案しました。伯母が期待していたのは、自分の声を高低差を付けて遠くに響かせることができるテクニックとしての発声法なのかもしれないので、今回行う方法は、ストレッチと呼吸で自分の身体で何が起こっているのか意識を向けてみる、声を出すことで身体が変化することを感じてみる、楽しんでみる、その先に何かテクニック的なことがあるのなら習得できるのではないかと伝え、伯母もそれに同意してくれました。また、母も以前朗読サークルに所属していたり声を出すことに気持ちよさを感じているがもっと感じてみたいと言ってくれたので、一緒に行うことにしました。
実施後の感想として伯母は「ゆっくり落ち着いた気分になれた。声を出す前のストレッチで身体が緩む感覚があった、実際にコーラスの練習前にこのストレッチをしてみる」と言っていました。
私自身の感想として、ボイスセラピスト1人が2人(特に長く細く呼吸をすることが難しい方)に同時に進めていく時、工夫をしたほうが良いところがたくさんあることを発見しましたが、そういうテクニック的な部分ではなく、もっと根本的なことが大切だと感じました。それは、セラピストが「説明しすぎない、喋りすぎない」ということです。
なぜ音読療法では呼吸や音読を行うのか、何が肝になっているのかなど、ボイスセラピスト講座で教えてもらったことは、どうしても話したくなります。話したら相手がどう感じてくれるのか知りたくなります。でもここで、セラピスト側が自分で進めたい会話の流れが本当にこのまま進めていいのかと立ち止まってみることが大切だと思います。
相手の中に知りたいという興味がないと、知識のお披露目になってしまい相手の興味を逆に軽減させてしまう危険性があります。せっかく一緒にいる時間が一方通行のコミュニケーションになってしまうのは悲しいことだと感じます。目の前の相手は、この内容に興味があるのか、もっと知りたいと思っているのか、そもそも、何が目的で今この場にいるのかについて、相手を尊重しながら相手の目的を共感することが必要になります。その方法として、相手が使う言葉、相手の表情などからその人の感情に注目してみる。そして、その感情が生まれる理由(その人が何を大切にしているのか)を観察してみることです。出来れば、その観察が正しいのかを相手に聞いてみることです。
この相手を尊重する姿勢が相手に届いた時、「どうして、今とても落ち着くのだろう。」とか「今日、なぜかとても心地いい時間が過ごせた」という感想が聞けるかもしれません。ここで初めて、自分が話したい音読療法の肝や相手にとって興味がある部分の専門的な話をすればいいのではないかと思います。まずはセラピストが共感的にその場の人と関わること、その場の人が今感じていることが話しやすくなる場作りをすることが、ボイスセラピストに求めれられていることなのかもしれません。
(共感的に相手に関わるのは相当訓練が必要なようです。目下練習中なのでまだ手さぐりです。)

写真:母、伯母に呼吸法をしているところ。

※音読療法協会オーガナイザー水城ゆうさんが以前掲載された記事
「ボイスセラピストにたいせつにしてもらっていること」(2012年7月24日)もぜひご覧ください。」http://voicetherapy.blogspot.jp/2012/07/blog-post_24.html

(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)





2012年8月15日水曜日

横隔膜の働きについて

いま、ボイスセラピー・ハンドブックの改訂作業をしていて、ふと気づいたことがあったので、私自身の知識の整理もかねて書きのこしておく。
といっても、以下の内容は専門的すぎるので、ハンドブックにそのまま掲載することはない。
音読療法マスターコースでは詳しくやるが、ボイスセラピスト講座ではさらっとやる程度のことだ。

呼吸に関する筋肉についての知識のおさらい。
肺はご存知のようにただの「袋」であるから、肺自身は自分で動くことができない。
呼吸は肺胞や胚囊が詰まった肺という袋を、外側からふくらませたり縮めたりすることで生まれる。

肺が収縮すると吐気が生まれる。
肺が膨張すると吸気が生まれる。
肺自体は動かないが、肺を取り囲んでいる骨格と筋肉が動いて、肺の収縮と膨張を作っている。

この肺の収縮と膨張を作っているのは、肋骨と横隔膜の動きだ。
このとき動いているさまざまな筋肉のことを「呼吸筋群」と呼ぶ。
簡単に総称して「呼吸筋」とだけ呼ぶこともあるが、呼吸筋という単独の筋肉はない。

呼吸筋は、空気を吸うときに使う筋肉と、空気を吐くときに使う筋肉に分かれる。

【吸うときに使う筋肉】
(上から)
胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、外肋間筋、横隔膜

【吐くときに使う筋肉】
内肋間筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋、腹直筋

その他、僧帽筋、大胸筋、広背筋、骨盤底筋群といったものも連動している。
ここで注意したいのは、横隔膜だ。
横隔膜は呼吸筋のなかでもっとも重要かつ大きな筋肉で、胸郭の一番下に肋骨にそって張りついている。
横隔膜は息を吸うときには下にさがり、息を吐くときにはドーム状に上にせりあがる。

大きなドーム状になって上にむかって伸びているとき(つまり息を吐いているとき)、横隔膜は弛緩している。
逆に収縮すると面積は狭くなり、大きなドーム状から小さなドーム状へと平たくなっていく。
つまり息を吸っているときに収縮する。

筋肉の収縮は脳からの命令が運動神経によって伝えられて起こるのだが、自分で意識して収縮を起こせない筋肉もある。
不随意筋肉と呼ばれるものだ。
代表的なものとして心臓の筋肉や内臓がある。

不随意筋肉の運動は大脳ではなく、脳幹という生命維持のための装置がつかさどっている。
原始脳といわれる部分で、進化樹の下位にある動物でもこれを持っているが、もちろん人間にもある。
しかし、人間の特徴である大脳意識でも、直接脳幹に命令を与えることはできない。
だから「不随意」と呼ばれるのだ。

不随意筋肉の運動は不随意神経系である「自律神経」と密接な関係にある。
自律神経もまた大脳が直接アクセスできない生命維持装置がつかさどっている。
自律神経は生命維持そのものもそうだが、体調をととのえるためにさまざまなことをおこなっている。
体温調節のための発汗の制御もそのひとつだ。

自律神経が調子を狂わせるといろいろと不都合なことが起こる。
しかし、現代人は自律神経に失調をきたしている人が多く、心身の不調もそれが原因である人が多い。

ああ、話が長くなってしまった。
ちょっとはしょるけど、自律神経を整えるのに役立つのが呼吸法であり、しかも呼吸筋のなかでもとくに身体の中心部に近い深層筋を使う呼吸法は、自律神経のなかでも副交感神経を優位にすることに役立つ。

呼吸筋のなかで深層にある筋肉は、息を吐くときに使うものが多い。
以下、呼吸法/音読につづく。
(オーガナイザー・水城ゆう)

2012年8月10日金曜日

老人ホーム〈玉川すばる〉で音読ワーク

今日も暑くなってきたなか、私はすずしい顔で昼飯なんぞを食っているが、音読療法協会のボイスセラピストが何人か、二子玉川の〈玉川すばる〉という老人ホームに出向いて音読ワークを実施してくれているはずだ。
ご苦労さま。

老人ホームや小中学校での音読ワーク、被災地支援としての音読ケア、個人セッションと、ボイスセラピストの活動の場が徐々に広がりつつある。
まだまだ知名度は低いが、音読療法という方法がすべての方のフィジカル/メンタル両面の健康維持や回復に役立ったり、このストレスフルな社会で生き抜いていくためのスキルとして役立つことがわかっている。

今後は地域社会や職場でも音読療法を役立ててもらいたいと思っている。
地域社会においては、介護を必要としない元気な老後を迎えるための「介護予防」をサポートできるはずだ。
職場においては、ストレスやコミュニケーション不全に対する強力なツールとなるはずだ。

また、職業創出としての側面もある。
ボイスセラピストはだれかに雇われたり雇ったりする関係ではなく、自立し、自分の裁量でおこなっていく仕事だ。
その分、苦労する面もおそらく多いだろうが、自分の意思で自由に仕事をし、なおかつそれが社会貢献になっているという、とてもやりがいのある仕事だと思う。

音読療法協会ではすでに20名をこえるボイスセラピストが生まれているが、専門的な職業として活動できる1級資格やマスター資格を取得した人はまだまだ少ない。
興味のある方はどうぞ気軽に協会までお問い合わせください。

音読療法協会公式ウェブサイトはこちら
(オーガナイザー・水城ゆう)

2012年8月5日日曜日

組織の強さを感じるとき


昨日、現代朗読協会による朗読パフォーマンス公演「キッズ・イン・ザ・ダーク」が行われました。出演者の中にはボイスセラピスト取得者も多数います。
今回のテーマは「キッズ」。大人の中に眠る子供性を引きだし、共演者とお客さんと即興ピアノ演奏が、暗闇の中で絡んでいくところを楽しもう、公演中に予想外のことが起きてもそれを楽しもう、という現代朗読協会が大切にしているコンセプトのもと、稽古から本番まで進めてきました。
今回、朗読者24名、ピアノ演奏1名の25名による規模が大きい舞台になりました。お客さんは隣の人と距離が近いし出演者との距離も近い、出演者が自分に迫ってくるのでは?というドキドキ感があったのではないでしょうか。今まで見てきた朗読、予想していた朗読とは何かが違う、という不思議な感覚を持ち帰っていただけていたら嬉しいです。出演者の公演後打ち上げでは、本番で出来なかったことの反省会ではなく、意外なハプニングをネタにし、練習中見せなかった共演者同志の本性(これが子供性?)が本番で表出してきたことについて盛り上がりました。

現代朗読協会は、代表者1人が決めたやり方で進める、あるいは代表者が決めたルールに則って参加者がそれに従う、というものがありません。そもそもそういう概念が存在しません。
もちろん、1つの公演に向かって代表者(演出家)が作った台本に沿って進めていくものの、稽古を主体的に動かしていったのはその場にいる出演者でした。稽古に多く参加できる人、できない人、いろんな人が集まっている中、知っている人が知らない人に伝える、その人がまた別の人に伝える、という形で進めていきました。
出演者が25名もいる大舞台なのに、練習や制作準備等を、絶対的な1人のリーダーが存在せずとも出来てしまったことに、この組織の強さ、素晴らしさを改めて感じました。
ある組織の中で「自分がやりたいことをやる、できることをできる範囲でやる」ことを実現するのに必要なのは、自分のことと同じぐらい相手の気持ちを思いやり、相手が望むことをわかろうとする姿勢なのではないかと思います。さらにその姿勢を具体的に行動として起こすことではないかと。これができるのは、集団の一員として存在しながらも個人として自立している、柔らかくも強い人の集まりであるからこそだと思います。今回、私は出演側ではなく当日お手伝い側でしたが、出演間際の緊張や直前までの猛暑日稽古で疲れもピークに達しているであろう仲間達に公演直前まで多くのサポートをもらいました。
素晴らしい組織、仲間達に出会えたことが嬉しく、こういう嬉しさを感じることができる人間としてこの世に生を受けたことにも嬉しくなりました。(大げさですかね。でも今はそんな気持ちです。)

公演にお越しいただいた皆さま、どうもありがとうございました。
※写真 本番直前のリハ―サル風景。
(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)




ボイスセラピスト1級講座第3期受講生募集

音読療法協会のボイスセラピスト2級を取得された方を対象に、ボイスセラピスト1級講座を開催します。今回が第1期となります。
毎月1回、計2日間の講座で1級資格を取得していただきます。

◎日時 前半・2012年8月5日(日)、後半9月2日(日)
    いずれも10:00〜17:00
◎受講費 66,000円(1級資格取得料含む)
◎認定方法 レポート提出と、実地試験および面接
 ※2級認定済みが条件です

ちなみに、2級と1級の違いは以下のとおりです。

・ボイスセラピスト2級
 お母さんやお父さんの基礎知識・高齢者の社会貢献活動に。
 教養、カルチャー感覚で取得できます。
 身近な人とのコミュニケーション法も学びます。

・ボイスセラピスト1級
 学校や施設、職場などのコミュニティでグループ指導できるスキル。
 初対面の相手とのコミュニケーション法も学びます。

※お申し込みはこちら

【特別割引制度】

学生や主婦、その他現在収入が低かったりなかったりする方のための特別割引制度があります。
基本的に半額になりますので、遠慮なくご相談ください。ボイスセラピスト講座受講への必要性と現況についてのレポートを提出していただきます。
くわしくは音読療法協会までお問い合わせください。


【お知らせ】
音読療法協会は、現代朗読協会がこれまで蓄積してきた膨大なデータと検証をもとに、音読療法マスターの育成をおこなうことを目的に設立されました。
すでに第一期生が全課程110時間を修了し、活動をはじめています。
第二期生は来年度募集予定です。興味・関心をお持ちの方はお問い合わせください。受講にはボイスセラピスト2級と1級の資格認定を受けている必要があります。

2012年7月29日日曜日

7月のボイスセラピスト2級講座のお知らせ

声で癒し、癒される……自分の持つ「声」で人を安らわせることができたら、どんなにいいでしょう。そして、自分の「声」が自分をも落ち着かせ、癒してくれたら、どんなにいいでしょう!
声による療法の基礎を身につける「ボイスセラピスト2級」を受講、取得して、身近な人とのコミュニケーションに活用してみませんか。
お子さん、パートナー、親、友人、同僚などとのつながりを、柔らかく心地よいものにしたいと願う方に。

2011年11月からスタートした講座も前回の第6期で22名のボイスセラピスト2級取得者が生まれ、それぞれ活躍しています。

◎日時 2012年7月29日(日)10:00〜17:00
◎受講費 33,000円(2級資格取得料含む)

◎内容
 ボイスセラピーの基礎知識
 声と身体とこころの基礎知識
 声と身体の関係、声とこころの関係の確認
 ボイスセラピーのさまざまな事例を用いたノウハウ学習
 ボイスセラピストに必要なコミュニケーション法
 参加者同士によるセラピー実践体験

◎こんな人におすすめです
 子どもなど家族に心身の不調を訴える人がいる
 落ちこんでいる友だちの気持ちを楽にしてあげたい
 ささいなことが気になって眠れない
 あがり性を克服したい
 ひと前に出るとうまく話せない
 声が通らない
 よく聞き返される
 家族や他人とのコミュニケーションでいらいらすることが多い
 ひと前で話すことが多い職業についている
 落ちついた話し方や態度を身につけたい

※お申し込みはこちら

【特別割引制度】

学生や主婦、その他現在収入が低かったりなかったりする方のための特別割引制度があります。
基本的に半額になりますので、遠慮なくご相談ください。ボイスセラピスト講座受講への必要性と現況についてのレポートを提出していただきます。
くわしくは音読療法協会までお問い合わせください。


【お知らせ】
 間もなく7月から第2期の音読療法マスターコースがスタートします。現代朗読協会がこれまで蓄積してきた膨大なデータと検証をもとに、音読療法のすべてをマスターしたセラピストの育成をおこなうことが目的です。
 年間約110時間のカリキュラムを受講していただきます。興味・関心をお持ちの方はお問い合わせください。

2012年7月27日金曜日

いきいき音読ケア(二子玉川)


1級ボイスセラピストによる、老人ホームにおける音読療法ワークのレポートです。
このホームでは、デイサービス利用の方々を対象に、月2回実施しています。

担当者:片岡(進行・1級VT)、藤沢(補助・2級VT)、野々宮(補助・音読療法士)
参加者:14名
   ※お元気な方3名、小さいがお声の出る方6名、言葉が出しにくい方5名
   ※全員着席した状態で参加。
実施時間:45分

① 自己紹介と、音読ケアについての簡単な説明

②呼吸法
(1)ホールブレス×3
(2)背中のストレッチ呼吸×1
(3)胸のストレッチ呼吸×1
(4)脇のストレッチ呼吸 右×1、左×1
(5)ボトムブレス×3
※肺の一部を切除していて呼吸法ができない方への対応を検討

③音読エチュード
「森の中」(野口雨情「十五夜お月さん」より、10行の詩)
(1)全員でゆっくり音読
(2)2組に分かれて、「しっぽ取り朗読」
(3)しっぽ取り朗読やや早めに
(4)先行を交代して、もっと早めにしっぽ取り朗読
(5)2組に分かれて「輪唱朗読」、はじめはゆっくり(鈴などを使ってリズムをとりながら)
(6)その後、スピード、先行を変えて輪唱朗読×3
※テキストの長さに注意。
(7)全員で「クレッシェンド・デクレッシェンド朗読」×4
※一番大きい声の時、両手をのばしましょう!としたら、3人ほど合流
(8)2組に分かれて、「贈り物朗読」
(9)音読カード「この道」(北原白秋)
(10)みなさんの要望で大きな声で合唱。

以上で音読ケアは終了。

【VTコメント】

第一回目の実施で、ホームのみなさんも初めての体験で、戸惑われた方も多かったようですが、呼吸法で首から胸にかけて温まった感覚を実感していただけた方が数名いらっしゃいました。
VTとしても、用意していった音読テキストの紙が小さすぎ、急遽ホワイトボードに書いたり、肺の一部を切除していて呼吸法ができない方がいらしたりなど、現場での臨機応変な対応が求められました。
身体的条件によりワークができない方に対して「できる範囲でやってください」と言いがちですが、それはその方のニーズに目を向けていないということに気づかされました。共感的な対応をより深めていきたいと考えさせられました。

ため息からのサイン



肉体的、精神的に疲れたとき、「ふぅぅ~」と息を吐くときがあります。
ほとんど無意識の中で起こります。特に、私はスポーツの後や長時間歩いた直後、何か作業をしていて次の作業に入る前に、このため息が出ます。
専門的なことはわかりませんが、ため息は、今の自分を知るための大切なサインなのだと思います。
ため息をするとき、息を吸う人を見たことがありません。「ため息が出る」であって「ため息が入る」のではありません。ため息は、息を吐く行為です。ではなぜ疲れた時、息を吸わないで吐くのでしょうか?
自然に行っていることで今まで考えたことがありませんでしたが、最近学んだのボイスセラピスト講義(音読療法協会)の中で呼吸についてこのように学びました。
人間の身体は、息を吐くときは「副交感神経(リラックス状態)」、吸うときは「交感神経(興奮状態)」が働くのだそうです。ということは、緊張状態や疲れを感じている身体が素直に反応して、今は深く息を吐いてリラックスモードに入りなさい、休みなさいよ、と自分に教えてくれているのでしょう。

ため息=だめなもの、人はため息しながら生きていくものだ、と自分の身体からのサインを受け流すより、この状態の自分をまずは受け入れてみる、そして今自分が何に疲れているのか、何をすればこの疲れがなくなるのかを探るいいきっかけになるのが、ため息なのではと思います。
さらに言うと、ネガティブな状態で無意識に出るため息を、ポジティブな状態で意識的に出せればいいわけですね。意識的に自分をリラックス状態にするために、深く息を吐く時間を習慣的に持つことが大切だと感じます。

※写真:玄関用に作った寄せ植え。枝が円形に絡んでいきますように・・

(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年7月24日火曜日

ボイスセラピストに大切にしてもらっていること

photo credit: Beverly & Pack via photo pin

ボイスセラピー(音読療法)では共感的コミュニケーションを用いる。
ボイスセラピストの資格取得講座でもかなりの時間をさいて受講者にその方法を学んでもらい、日々の実践で身につけてもらうようにしている。

共感的コミュニケーションでは「いまここ」にある自分と相手の感情とニーズを大切にする。
なので、セラピープログラムも、刻一刻と、自分と相手の状況・状態によって変化する。
つまり、即興性をとても大切にしているのだ。
臨機応変といってもいい。

プログラムは細部がユニット化されているので、組み合わせは自由にできる。
細部のアレンジもボイスセラピスト個人が工夫してもよいことになっている。
音読療法というその原理や原則、目的がしっかりと認識できていれば、それぞれが個性を生かしたセラピープログラムを作ってもらっていいと思っているし、クライアントもまたさまざまな人やケースがあるので、プログラムの固定化はあまり意味がないだろう。

世の中にはいろいろなセラピーがあって、なかにはプログラムが厳密に決まっていたり、セッションをおこなうときセラピストがいちいち進行内容について詳細に報告しなければならないようなものもあるようだが、音読療法ではそういう窮屈なことはおこなわない。
音読療法で大切にしているのは、セラピストがいつもマインドフルで共感的であり、相手と自分のニーズにフォーカスしながらいつも柔軟で個性的なプログラムを実施できるスキルとマインドである。

ボイスセラピストの資格取得講座には2級、1級、マスターコースと、それぞれスキルレベルの違いはあるが、大切にしていることはひとしく共通している。
そして資格取得後もボイスセラピストは自由に後続の講座に無償で参加することができる。
最新の音読療法の知識をいつでも更新しながら、スキルアップするチャンスをも提供している。

次回2級ボイスセラピスト講座の開催は今週末7月29日(日)。
詳細はこちら
(オーガナイザー・水城ゆう)

2012年7月19日木曜日

すいか割り

先日の連休中、マンションの子供たちとすいか割りをしました。
お隣さんのご実家(広島県因島)からすいかが届いたということで、声をかけてもらいました。
子供たち10人ちょっと集まり、近所の盆踊り帰りで浴衣を来ている女の子も多く、めったにできないすいか割りに興奮気味の子供たち。
ジャンケンで順番を決めるも、ジャンケンが出来ない一番ちっちゃい子を一番先にしようという子供同士の配慮があり、いい雰囲気でスタートしました。
目隠しされてスタートした子に向かって、応援している子供たちは、「右右、あっ、お箸もつ方の手だよ、その反対だよ、がんばれ!」と、お友達がスイカが割れるようにと声をかけあって大盛り上がりでした。子供たちが楽しそうに盛り上がっている姿を見ている、親御さんたちも幸せそうでしたね。
集合住宅だって、ご近所さんといい関係でいようと思う人がいれば、そこに共感する人が自然と集まるものです。集合住宅だからって、他人と交わりたくない人の集まりだと決めてかかったり、「おはようございます」「こんにちは」とすれ違いざまに目を見ないで挨拶をするだけではもったいないです。こういう居住形態だからこそ、向こう三軒両隣さんと仲良くしておきたいと新ためて感じるイベントでした。
ただ1つ残念だったのは、親御さん何人かに「すいか割りやりませんか?」と声をおかけすると「恥ずかしいからいいや。ビール飲んでるよ。見てればいいや。」と断る方が多く、子供と一緒になって遊ぶ姿、自分のドジな姿を人に見られるのが恥ずかしいと思われている方が多かったことです。
子供たちは、自分の親のドジな姿が見れたら本当は嬉しいだろうな~。
子供と一緒に過ごすことが多いこれからの季節、ぜひ子供と一緒に大声出して遊んでほしいと思います。

(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年7月17日火曜日

自分が伸びていく朗読



7月16日‐21日までの6日間、銀座にあるギャラリーのグループ展(陶芸、絵画、アクセサリー等)の作品の1つとして、朗読を出展している友達がいます(Mさん)。Mさんは、現代朗読協会に所属をしています。ここで現代朗読協会が行う朗読について少し触れてみます。現代朗読協会では、「自分自身を伝える手段」として本を読みます。本を読む目的を、本の内容を相手に伝えるためにあるのではなく、自分自身を相手に伝えるためにあるとしています。丁寧に読むのではなく、他の誰かになりきろうとするのではなく、あくまでも自分自身を真ん中に置いています。
今回、私はMさんのソロ朗読を初めて見ました。
イスに座ったところから始まり、そのうち自然に立ち上がって、歩いたり、身をかがめたり、手が伸び、声も伸びていきました。初日で、もしかして本人は張しているのかもしれませんが、こちらにはその緊張を跳ねのけようとするかのように、朗読が進んでいくにつれて段々しなやかに伸びていく声、身体、表情に引き込まれました。
6日間、同じテキストを使ってソロ朗読ができるって、いいな~。
主体が自分だからこそ、変化していくことが楽しめるのだと思います。
Mさんに、どんな変化が訪れるのかもう1回見たくなりました。


※7月21日(土)まで毎日13:30~。作品:よだかの星「宮沢賢治」
※会場情報はコチラ
(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)




2012年7月15日日曜日

キッズへ向かう朗読パフォーマンス





昨日、現代朗読協会によるワークショップ「朗読はライブだ!」が開催されました。
今期(全6回)の4回目の昨日、最終回にワークショップ生が出演する公演に向けて朗読パフォーマンスの練習がスタートです。
今回の公演タイトルは「キッズ・イン・ザ・ダーク」。演出、水城ゆうさんの話によると、この公演の目的はタイトル通り「キッズ」です。出演者の中にある子供性(インナーチャイルド)を発揮することが目的となります。
表現というものには3つの層があると、と水城さんは話されています。
①純粋表現…純粋に表現したいという欲求(子供が一人で歌ったり走り回ったりしている状態)
②コミュニケーション表現…人とのつながりを求めたいという人間が誰しも持っている基本的な欲求
③社会的表現…人に認めれたい、評価されたい、入場料に見合うものを人に見せたいという欲求(人から要求されて行う表現の欲求)
今回の公演は、③を取り除き、①②を出演者みんなで行おう、自分が表現したいことを行おう、予測しないでおこる自分の表現やお客さんの反応を楽しもう、というのが目的です。この話しを聞いたワークショップ生は、いくつかの朗読エチュードを手さぐりでやりはじめながら、少しづつ隠れていた子供性が表われ始めたようです。イスに座って本を読むことから抜け出して、身体を自由に思いっきり使いながら声を出す、そして他の出演者と朗読パフォーマンスをしながらその場でコミュニケーションを取っていく。本番までの間、みなさんの中の「キッズ」がにょきにょき顔を出し始めるのでしょう。楽しみです。
※写真:朗読エチュード練習の様子。1人で声を出して動くところから、人とかかわり始め始めたところ。
※公演情報:8月4日(土)13:30開演 キッドアイラックホール(明大前)詳細はコチラ



(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年7月13日金曜日

2つの大切な言葉


持続・・「ある状態がそのまま続くこと」
継続・・「前から行っていることをそのまま続けること」
この2つについて、最近感じたことがあります。
自分の意志で自分から求めて関わっていることがあるとします。(仕事なら、希望セクションでの業務、ポジション、プライベートなら、興味があるジャンルの習い事、最近ではfacebookやmixi、ツイッターなどのSNS系サイトの投稿活動、かな)自分が今まで経験したことがないことや、ずっと探し求めていたものに出会うと、一気にのめり込むことがありますね。時間、体力、資金を一気に使って短時間でそのことにどっぷり浸かる状態です。でも、その状態が長期的に続かず、短期間でいわゆる燃え尽きてしまうことがあるとします。一気にのめり込むのは、その人なりの動機があるのでしょう。ずっと探し求めていたものに出会ったことの喜びが行動になっているのかもしれません。でも、せっかく出会った大切なもの、そこで出会った大切な人との関係を長期的に続けることに疲れてしまい、ある日突然関係が途切れるとしたら、それは悲しいことだなと思います。一気にのめり込むものを見つけて動き始めた時、頭の片隅に置いておきたい自分への質問の言葉があります。
それは、「1年後、私はこの状態を続けていられるの?」です。せっかく出会った大切なもの、大切な人との関係に対して、継続性、持続性を求めるのであれば、この言葉をいつも頭の片隅に置いておこうと思います。そして、今行っている動き方がこのままでいいのかを立ち止まって考えることにつなげたいと思います。

写真:お隣さんのベランダにいた猫ちゃん。目があって30秒ほど見つめ合った後、肉球を見せながら隙間から足を延ばして来ました。こちらに来たかったのかな。めんこいの~。


(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年7月11日水曜日

介護老人保健施設〈玉川すばる〉で音読ケアワークをやります

今日は1級ボイスセラピストの片岡まゆみさんといっしょに、彼女に紹介してもらった老人ホーム〈玉川すばる〉まで打ち合わせに行ってきた。
こうやって仲間の紹介で少しずつ音読ケアの場が広がっていくのはとてもうれしいことだ。
片岡さん、ありがとう。

玉川すばるは田園都市線の二子玉川駅から歩いて10分くらいのところにある、かなり規模の大きな施設だ。
毎日、デイケアサービスで訪問する人だけでも30人くらいいるらしい。
もちろんここで暮らしている人はそれよりずっと多い。

会っていただいたI室長さんはとても気さくな方で、話もとんとんと進み、さっそく来週からでもやりましょう、ということになった。
こちらもじっくり説明するというより、かいつまんで手短に説明したあと、特徴として、職員の皆さんの手をあまりわずらわせることがないので喜ばれています、などとプッシュしたりしたのだが、そんな必要はなかったかもしれない。
ま、事実なんだけど。

そのあと現場を案内してもらった。
ちょうど職員の方が中心になって、お年寄りたちと記念日をあてるゲームみたいなことをやっていて、楽しそうだった。
その横では麻雀を囲む人たちもいた。
のびのびした雰囲気で、ここならかなりやりやすそうだと思った。

ボイスセラピスト1級の資格取得者を中心に、ここで音読ケアの実施を、ある程度定期的にやらせてもらえることになった。
「うちの知り合いの施設でもやってもらいたい」
「音読ケアに興味がある」
「会社で試してみたい」
というような方、どうぞ気楽に音読療法協会までお問いあわせください。
(オーガナイザー・水城ゆう)

2012年7月10日火曜日

自分に向かって声を出そう



私は、毎朝、小説や詩などの一部を数分間読んでいます。
ここ最近、音読をしている自分の声が変わってきたようです。うまくお伝えできませんが、周りの人にキレイに心地よく聞こえてほしいという前提で出す声から、今この瞬間、自分が出したい声を出している感じです。今までは、周りの人にとって聞き取りやすく、キレイだと感じてもらえる声を出そうとしてしました。もちろんその意識で出す声が、今自分が出したい声ならそれでいいと思います。でも、いつも同じ調子だし、つまらないな~、しっくりこないな~と思っていました。
それが最近は少しづつですが、その意識の枠が外れてきたようです。なぜそう感じるかというと、音読が以前より気持ちよく心地よく楽しいからです。自分が鳥になったような気持ちになるときがあります。
ただこれは、1人で家で読むだけでは気付けなかったと思います。一緒に読む仲間がいて、誰かが気持ち良さそうに読んでいる声や気持ちよさそうな表情を見聞きしているから、(そうか、自分に向かって「気持ちがいい」と感じることを探ればいいのか)とスイッチが入ったのかな。これから、もっと自由自在な「わたし声」になりたいです。自分の声を使ってワクワクできるなんていいな~。

ボイスセラピーで、療法のキーとなるのは「音読」です。講座内でも音読についての理論から面白体験まであります。まずは自分がより自由でいる声を皆さんも発見してみてはいかがでしょうか。

※写真はシーズンフラワーの蓮。
 (銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年7月8日日曜日

『ボイスセラピー・ハンドブック』発売中

音読療法(ボイスセラピー)の考え方や、呼吸法、発声法、マインドフルネスの方法について、小冊子にまとめました。
軽い本なので、いつでも鞄に入れて持ち歩いて確認できます。
ボイスセラピストはもちろん、資格を取っていない方にもお役に立てると思います。

電子閲覧本は525円。
紙の書籍は914円です。紙本をご注文の場合は、音読療法協会へ直接ご連絡ください。


2012年7月5日木曜日

釜石ボランティアツアーのボイスセラピストに聴く(野々宮卯妙/蒼井彩子)

三谷産業株式会社の支援を受けて、6月30日と7月1日の両日、東北の被災地に音読ケアに行ってきました。
このツアーは昨年からおこなわれていますが、今回は一番遠い岩手県釜石市まで行ってきました。
ツアーには音読療法協会のボイスセラピストが5名同行してくれ、現地で音読ワークをしっかりとおこなって、大変喜んでいただくことができました。

その帰り道、車中でボイスセラピストたちにホットなインタビューをおこないました。
最終回は全参加の野々宮卯妙と、初参加の蒼井彩子です。

ケロログ「RadioU」で配信中。

2012年7月4日水曜日

東北被災地・釜石ボランティアツアーのボイスセラピストに聴く(佐藤ピリカ)

三谷産業株式会社の支援を受けて、6月30日と7月1日の両日、東北の被災地に音読ケアに行ってきました。
このツアーは昨年からおこなわれていますが、今回は一番遠い岩手県釜石市まで行ってきました。
ツアーには音読療法協会のボイスセラピストが5名同行してくれ、現地で音読ワークをしっかりとおこなって、大変喜んでいただくことができました。

その帰り道、車中でボイスセラピストたちにホットなインタビューをおこないました。
三人めは今回初参加の佐藤ピリカです。

ケロログ「RadioU」で配信中。

ボイスセラピストに一番大切なこと







昨日、ボイスセラピスト2級講座3日目が行われました。
最終講義となった3日目、今までの総復習を中心に行いました。ここで行った復習方法はペアワークです。受講生同志が、セラピストとクライアントさん役になり、呼吸法と発声法の練習をしながら確認しました。この受講生同志のやりとりの中で大切な発見がありました。セラピスト役となる人が、順番通りにやろうと不安そうな声になったり、きちんと説明をしようと固くなるとそれがクライアント役の方にも伝わってしまうということです。たとえ、指導順番を間違えても、まずはセラピスト自身がリラックスしてゆったり構えている姿を見せることがクライアントさんの不安や緊張を取り、よりご自身の呼吸による身体の動きや感覚に敏感になるのでは、と受講者の皆さんからコメントをいただきました。
ここで改めて感じたのは、音読療法を行うボイスセラピストに一番大切なことは、『セラピスト自身が深い呼吸でリラックスした状態である』ということです。この大切な部分に受講生自ら気付いていただけました。
余談ですが、私の大好きなヨガインストラクターの女性は、声を聞いたりポーズをしながら教えている姿を見ているだけで気持ちがいいです。インストラクター自身が深く息を吐き吸っていることが身体の動きや声から感じ取れます。
人にリラックスにてもらいたいなら、まずは自分が思いっきりリラックスするということですね。今回受講していただいた皆さん、ありがとうございました。
※写真は、受講生同志で練習をしているところ。

(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)






2012年7月3日火曜日

釜石訪問レポート(音読ワークボランティア)

あらましはすでに日記的に書いたので、ポイントを絞ってあらためてまとめておきたい。

【釜石の人たち】
今回、2か所の「談話室」で音読ワークをおこなってきた。
去年の石巻などでは「集会所」といっていたのだが、釜石では「談話室」といっていた。
石巻の集会所よりやや狭いが、基本的にはおなじ造りと機能だ。

初日の談話室に集まった人たちは、ばらばらの地域から抽選でやってきた人たちで、最初、隣近所にはほとんど顔見知りがいなかったという。
しかし、それではいけないということで、名簿作りから始まったという。
大変な作業だったが、おかげで徐々に結束していって、いまでは集会所を中心に顔見知りになり、いろいろなことに協力しあう地域コミュニティになっているようだった。
これは努力して地域のコミュニティを作り上げた例。

二日めの談話室に集まった人たちは、ほとんど同じ地域の人たちがそのまま仮設に移って来た人たちで、幼いころから顔見知りの人たちばかりだ。
そのせいか、気楽な雰囲気で、見るからに気を許し合った仲間という感じがした。
こちらは努力せずとも作り上げられたコミュニティの例。
どちらがいいのかはわからないが、最初の人たちがかなりの苦労と努力をされたことはまちがいないことだ。

いずれにしても、皆さん、思った以上に明るくて、感覚も開いていて、こちらの提案したエチュードを積極的にやったり、どんどん声を出してくれたりした。
音読ワークとしてはとてもやりやすかった。

【釜石の状況】
街や漁港や周辺の被害状況は、がれきこそ片付けられているものの、復旧はほとんどまだ手つかずという印象があった。
市街地はさら地が多く歯抜け状態で、大変寂しい風景だ。
港は復旧工事が進んでいるが、離れた湾の港はまったく手つかずで、巨大な防波堤がひっくり返ったままになっているのがちょっとショッキングな光景だった。

建物も津波の被害にあったそのままがまだ取り壊されずに残っているものもあれば、修復されているものもある。が、市街地では流されてしまった建物が多い。

夜、食事にはいった居酒屋には、タレントなどの「がんばれ」みたいなメッセージの色紙がたくさん貼ってあった。
元市役所だった建物は、修復され、いまはショッピングセンターになっていたが、なんとなくがらんと寂しい雰囲気はいなめなかった。

【行程】
東京から釜石は大変遠かった。
今回、10人乗りのワゴン車に9人が乗りこんで行った。
東京から埼玉県、栃木県、福島県、宮城県を通りぬけて、岩手県に入ってからは一関をすぎ、花巻の手前で東北自動車道を降り、遠野を通って、海側の釜石に出る。
500キロ以上はある。
途中、休憩をはさんではいるが、9時間以上かかった。
これを二日間で往復するのはかなりきつかった。
もちろん、運転をしてくれた三谷産業の戸平さんと高木さんがさらにきつかったのは当然だが。

【音読療法協会のボイスセラピストたち】
今回は2級ボイスセラピストが2人、音読療法マスターコース修了者が3名という布陣で出かけた。
これだけのボイスセラピストがいると、大勢のワークでもかなりきめ細かくひとりひとりの状態を見ながらサポートできるように感じた。
ひとりではきついだろう。
こういうワークは複数名でおこなうのが理想的だ。

【三谷産業株式会社のサポート】
今回も車、宿泊など、全面的なサポートをいただいた。
高木さん、戸平さん、石橋さんのお三方には感謝するとともに、そのバックで支援してくれた三谷産業の皆さんと会社自体に感謝したい。
ハードな行程を安心して任せることができたので、我々は音読ワークに集中することができた。
おかげで釜石のみなさんにも喜んでいただけたのではないかと思う。

ついでに、といっては失礼だが、今回のツアーに参加できなかったけれど気持ちでサポートしてくれた現代朗読協会とボイスセラピストの仲間たちにも、応援について感謝したい。
(オーガナイザー・水城ゆう)

東北被災地・釜石ボランティアツアーのボイスセラピストに聴く(山田みぞれ)

三谷産業株式会社の支援を受けて、6月30日と7月1日の両日、東北の被災地に音読ケアに行ってきました。
このツアーは昨年からおこなわれていますが、今回は一番遠い岩手県釜石市まで行ってきました。
ツアーには音読療法協会のボイスセラピストが5名同行してくれ、現地で音読ワークをしっかりとおこなって、大変喜んでいただくことができました。

その帰り道、車中でボイスセラピストたちにホットなインタビューをおこないました。
ふたりめは初回から全参加の山田みぞれです。

ケロログ「RadioU」で配信中。

2012年7月2日月曜日

東北被災地・釜石ボランティアツアーのボイスセラピストに聴く(いわた都)

三谷産業株式会社の支援を受けて、6月30日と7月1日の両日、東北の被災地に音読ケアに行ってきました。
このツアーは昨年からおこなわれていますが、今回は一番遠い岩手県釜石市まで行ってきました。
ツアーには音読療法協会のボイスセラピストが5名同行し、現地で音読ワークをしっかりとおこなって、大変喜んでいただくことができました。

その帰り道、車中でボイスセラピストたちにホットなインタビューをおこないました。
ひとりめは今回初参加のいわた都です。

ケロログ「RadioU」で配信中。

2012年7月1日日曜日

音読は何のため?


2012年6月29日東京新聞朝刊、音読についての記事が掲載されました。
この中に、子供が音読することについて音読療法協会代表の水城雄さんの談話も載っています。
(以下、2012年6月29日東京新聞朝刊くらし欄 一部抜粋)
現代朗読協会代表の水城雄さんは、「親子のコミュニケーションを深めるのに最適。一日一分でいいから真剣に聞いて『楽しかった』『どきどきした』と感想を添えてあげて」とアドバイスする。子どもは「自分を丸ごと受け止めてくれた」と満足するという。一方で「読む声に元気がない時は、つらいことがあったサインかもしれない。親が大きな声を強制すると、自分にうそをついて元気を装ったり、はきはき読めない自分を否定してしまいかねない」と注意を促す。


現在小学校で、音読を授業の一環で行っている学校があります。また、家で親の前で音読をして、親が採点をするという宿題もありますね。音読によって、読む力や言葉の知識が増えて、学力が向上するためには大切なことです。そして、間違いを正しくすることも必要です。
でもそれ以前に、子供がイキイキと楽しく音読して、その音読を聞いている親も子供の音読を受け止めてあげることが一番大切なことだと思います。
東京新聞 関連記事全文

(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)

2012年6月29日金曜日

音読療法は介護予防を推進する

photo credit: Ү via photo pin

「介護予防」というかんがえかたがある。
お年寄りが寝たきりになったり、介護を必要とする生活にならないように、元気なうちから予防し、長く健康にすごそう、というかんがえかただ。
これは医療費や介護費用の大きな削減にもなるはずで、行政がさらに積極的に推進してほしい運動だ。
音読療法はこの運動においてかなり効果的な役割をはたせるとかんがえている。

健康法や予防法は毎日つづけることが大切で、習慣化することがのぞましい。
音読療法は簡単な方法で呼吸筋や姿勢筋を整えたり鍛えたりできるので、毎日気楽につづけることができる。
運動というわけでもないので、準備がいらない。

呼吸や発声、音読といった簡単な方法を使い、身体だけでなくこころのケアもできる。
音読は表現の楽しみもあり、こころの健康に大変有効だ。

グループでおこなうのはさらに効果的だろう。
何人かが集まってストレッチ、呼吸、発声をおこない、お互いに音読しあう。
そのときにはぜひ共感的コミュニケーションを使ってみてほしい。
おたがいに表現しあい、つながりあうことの喜びを見いだすことができるだろう。

このいきいきとした喜びのなかで充実した老境をすごしてほしいし、私もそのようにありたいと思っている。
(オーガナイザー・水城ゆう)