1級ボイスセラピストによる、老人ホームにおける音読療法ワークのレポートです。
このホームでは、デイサービス利用の方々を対象に、月2回実施しています。
担当者:片岡(進行・1級VT)、藤沢(補助・2級VT)、野々宮(補助・音読療法士)
参加者:14名
※お元気な方3名、小さいがお声の出る方6名、言葉が出しにくい方5名
※全員着席した状態で参加。
実施時間:45分
① 自己紹介と、音読ケアについての簡単な説明
②呼吸法
(1)ホールブレス×3
(2)背中のストレッチ呼吸×1
(3)胸のストレッチ呼吸×1
(4)脇のストレッチ呼吸 右×1、左×1
(5)ボトムブレス×3
※肺の一部を切除していて呼吸法ができない方への対応を検討
③音読エチュード
「森の中」(野口雨情「十五夜お月さん」より、10行の詩)
(1)全員でゆっくり音読
(2)2組に分かれて、「しっぽ取り朗読」
(3)しっぽ取り朗読やや早めに
(4)先行を交代して、もっと早めにしっぽ取り朗読
(5)2組に分かれて「輪唱朗読」、はじめはゆっくり(鈴などを使ってリズムをとりながら)
(6)その後、スピード、先行を変えて輪唱朗読×3
※テキストの長さに注意。
(7)全員で「クレッシェンド・デクレッシェンド朗読」×4
※一番大きい声の時、両手をのばしましょう!としたら、3人ほど合流
(8)2組に分かれて、「贈り物朗読」
(9)音読カード「この道」(北原白秋)
(10)みなさんの要望で大きな声で合唱。
以上で音読ケアは終了。
【VTコメント】
第一回目の実施で、ホームのみなさんも初めての体験で、戸惑われた方も多かったようですが、呼吸法で首から胸にかけて温まった感覚を実感していただけた方が数名いらっしゃいました。
VTとしても、用意していった音読テキストの紙が小さすぎ、急遽ホワイトボードに書いたり、肺の一部を切除していて呼吸法ができない方がいらしたりなど、現場での臨機応変な対応が求められました。
身体的条件によりワークができない方に対して「できる範囲でやってください」と言いがちですが、それはその方のニーズに目を向けていないということに気づかされました。共感的な対応をより深めていきたいと考えさせられました。
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