2012年8月26日日曜日
円になって座る
音読療法協会、現代朗読協会の講座では、講師と参加者の皆さんが1つの円になって座ることが多いです。多いというか、それが座り方として定着しています。集まった人が座布団を円形に置いて各自が好きな場所に好きな姿勢で座ります。この円になって座ることがとても心地がよいと感じます。
子供の時は、お遊戯の時間や音楽の時間、林間学校のキャンプファイヤーなど、何かワクワクすることを行う時に限定されて円になって座っていましたが、日常で円になって座った記憶があまりありません。学校では学生が並列になり先生と向き合う対面スタイル、家では四角いテーブルに家族5人で座り(父がいれば父がお誕生日席)平日父が不在の時は、2対2で座って相手の顔を正面からみる対面スタイルでした。社会人になってからも、ほとんどが対面スタイル、たまにコの字スタイルの会議がありました。対面スタイルは、確かに相手の顔が見れますが相手の存在が自分の正面すぎるからか、自分のすべてを見られているのではという恐怖感からか不必要な緊張を感じることがありました。相手に意識がいくよりは見られている自分に意識がいき、どんどん萎縮していく感覚でした。でも、丸く座ってみると、自分以外に意識が向きます。その場にいる人の様々な情報が入ってきます。近くにいる人の表情、喋るとき笑うときの身体の動き、深い呼吸なのか浅い呼吸なのか、今はこの人はどんな気持ちや状態なのかを感じることに意識が向きます。
この時、自分はかなりマインドフル(今この瞬間にこの場にいて、今起こっていることだけを感じている状態)になっているのではないかと思います。今日やるべきことや思い悩んでいることが、頭をよぎる思考がなくなります。そんな自分自身のことより目の前に人の状態を知りたいと素直に思える座り方です。
これからは、家で人を呼んで食事をするときは円形になってみたり、外食の時はちゃぶ台があるようなお店を見つけてみるのも面白いかもしれないと思います。
できれば、イスではなく床に座ってみてゆっくり息を吐くそんな時間を持ちたいです。
※写真:先日行われた現代朗読協会公演「キッズ・イン・ザ・ダーク」打合せ風景。
(銀座教室事務局オペレーター 菜穂子)
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